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新潟県中越沖地震で次々発覚
放射能漏れや破損…柏崎刈羽原発
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| 火災で黒こげになった3号機の変圧器〓柏崎刈羽原発で |
震度6強の揺れを観測した新潟県中越沖地震で、被災地に建つ東京電力柏崎刈羽原子力発電所(原発)の防災面の欠陥や問題が次々に明るみに出ています。放射能をふくんだ物質が大気中に漏れ、放射性廃棄物を入れたドラム缶数百本が倒れ、水びたしの床も。変圧器は出火し、消火に手間取りました。機器が故障したり、壊れたりしたのは、わかっただけで五十件、さらに増える可能性もあります。柏崎市長は原発施設の停止を命令。他社の原発でも消防体制の不備が明らかになり、経済産業省は国際原子力機関(IAEA)の調査を受け入れることを決めました。
地震が起きたとき、柏崎刈羽原発の構内にある変圧器から火が出ました。原発所員らの消火作業がスムーズに進まず変圧器は黒こげになりました。地震で変圧器周辺が地盤沈下し、電気を流す銅帯が金属に接触して出火したようです。原子炉を持つ建屋と呼ぶ建物は地下の硬い岩盤の上にありますが、周辺の変圧器などは軟弱な地盤の上に建設されていました。
原子炉の一つの「7号機」の建屋では、排気筒から放射性物質が外の空気中に出ていて放射性のヨウ素やクロム、コバルトが検出されました。東電は環境に影響ないと言いますが、地元の住民には大きな不安です。
1―5号機では排気用のダクトがずれ、6号機では使用済み核燃料プールから放射性物質をふくむ水があふれ、一部は海へ流れ出ました。床が水びたしとなった建物もありました。倒れたドラム缶の中は、原発内作業に使った手袋やネジ、灰などの低レベル放射性物質ですが、中にはふたが外れたものもあったそうです。6号機のクレーンも破損し、復旧作業の遅れが心配されます。
地元に不安、市長が停止命令
IAEAの調査を受け入れ
次から次へと発覚する問題に、柏崎市長は消防法に基づいて発電所内の全原子炉の危険物施設について緊急使用停止命令を出しました。これによって事実上、発電できなくなります。期限は「安全性確保まで」。
問題の続発について、東電は「想定外の揺れ」を強調しましたが、そもそも原発は地震から安全なように、地震を引き起こす活断層が真下にないことを大前提に建設されてきたはずです。ところが、気象庁が震源などを調べると、今回の地震を引き起こした地下の断層が柏崎刈羽原発の真下まで延びていることがわかりました。建設の前提が揺らいだことになります。
柏崎刈羽原発にIAEAの調査団を受け入れるという政府の決定は、「国際的な目で調べてもらいたい」という地元の声に押されたのが実情のようです。
経産省が全国の原発と再処理工場を調べると、原発10社すべてで専従の消防隊が24時間待機することはなく、化学消防車を持つのは4社だけ、消防署へ連絡するホットラインがあるのは5社という状態。問題は柏崎刈羽原発だけではないことがはっきりしました。
原発は放射性物質という危険なものを扱うところです。どんな地震があっても安全なように万全の施設と消防体制が必要なことは、言うまでもありません。電力業界が責任を持つのは当然ですが、国(政府)にも安全の確認と維持に大きな使命があります。そのあり方が根本から問われています。
(高橋 俊一・ジャーナリスト)
2007年8月5日
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