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過激派ハマスがガザ制圧で対立
穏健派ファタハは西岸に拠点
領土問題をめぐり、イスラエルとの和平交渉が中断しているパレスチナ自治政府が6月、内部対立から2つの勢力に分裂しました。イスラエルとの共存を認めるイスラム穏健派の「ファタハ」と、それを認めない過激派「ハマス」です。
ファタハとハマスの一連の対立は、昨年1月の自治評議会(国会)選挙でハマスが勝ったことが発端でした。ハマスは単独で内閣をつくりましたが、その政策にファタハは反発。武力抗争に発展していきました。
今年三月にはいったん「仲直り」し、双方が閣僚を出し合う「連立内閣」をつくりました。それでも対立はやまず、自治区の1つガザをハマスが武力で制圧しました。
危機感を抱いたファタハのアッバス議長(大統領に相当)は6月14日、連立内閣の解散とハマス出身の首相ハニヤ氏の解任を宣言。新たな内閣をつくりました。ハニヤ氏はこれを拒否し、政権は分裂状態に。ハマスはガザ、ファタハはもう1つの自治区ヨルダン川西岸をそれぞれ拠点に、にらみ合っています。
ファタハは1950年代後半、故アラファト議長らがつくりました。イスラエルとの交渉を主導し、自治政府の基盤となったパレスチナ解放機構(PLO)の主流派です。ハマスは87年にイスラム宗教指導者ヤシン師が設立。PLOには属さず、軍事部門がテロ攻撃をくり返してきました。イスラエルを認めるか否かでお互いゆずらず、対立解消のめどは立ちません。
米国はハマス抜きで交渉算段
イスラエルも政権揺らぎ難航
分裂がイスラエルとパレスチナの和平交渉再開のチャンスと考える国もあります。交渉を仲介してきたアメリカなどです。和平実現の機運が高まるたびにイスラエルを攻撃してきたハマスは、「目の上のこぶ」でした。
そこでアメリカなどはハマスをはずして交渉を進めようと考えています。ファタハの援助を表明し、ハマス単独内閣の成立以来続けてきたパレスチナへの経済制裁も解除しました。さらにアメリカ、欧州連合(EU)、ロシア、国連はイギリス首相をやめたばかりのブレア氏を「特使」として意気ごんでいます。
しかし、ことはそう簡単ではありません。交渉のもう一方の当事者のイスラエルが乗り気ではないからです。
イスラエルは今、オルメルト首相の側近が汚職事件にからんで捜査を受け、首相自身も別の汚職疑惑が持ち上がっています。内閣支持率は3%に落ち込みました。こんな状況で交渉に取り組む余裕はありません。
そもそもハマス抜きの対話が成り立つかも疑問です。ハマスはパレスチナ内では、学校や病院を運営し、貧しい人に食料を配るなど人気があります。選挙でハマスが勝ったのもこのためです。ハマス無視は、パレスチナ人が反発するでしょう。
イスラエルの建国(48年)以来、パレスチナ人との間で暴力の応酬が絶えません。しかし、ここ十数年で明るいきざしもありました。お互いが存在を認め合った93年の「オスロ合意」や、パレスチナ国家成立の段取りを定めた2003年の「ロードマップ」策定などです。こうした成果がむだとならず、1日も早く平和が訪れることを願ってやみません。
(関根 和弘記者・朝日新聞外報グループ)
2007年7月15日
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