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ミンチ偽装のミートホープ社 北海道
次々出てくるごまかし疑惑
ワンマン体制で突っ走る
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| ミートホープ本社へ捜索に入る北海道警の捜査員ら=北海道苫小牧市で |
北海道苫小牧市のミートホープ社が豚や鶏肉を使ったひき肉を「牛ミンチ」とうそをついて出荷していたとして、問題になっています。にせ牛肉がコロッケなどの原材料にされていたほかにも、この会社は外国産鶏肉を国産といって学校給食用に売るなど、数々のごまかし疑惑が持たれています。こうした肉が全国に流通していたようです。同社の元役員から1年以上前に情報提供を受けながら、実態をつかめなかった農林水産省の調査態度も批判されています。
関係者の説明や証言では、ミートホープ社は7、8年前から賞味期限ぎりぎりの食肉を仕入れ、「牛のひき肉に豚肉を混ぜる」「豚や牛の内臓を混ぜる」「豚だけを(牛肉として)出荷」などを繰り返していたといいます。
このほか、状態が良くない肉を入手し、殺菌処理して出荷。家畜の血液で着色し、牛ミンチに見せかける。肉に水を混ぜて増量。賞味期限切れの冷凍食品を買い付け、日付を書きかえた袋に詰めかえ販売。国産鶏肉の袋に外国産を詰めて売った疑いや、雨水で肉を解凍した疑いも浮上しています。
「状態がおかしい」「牛肉なのか」といったクレームには、ミートホープ社は「製造を誤った」などと説明して保険金を受け取ったといいます。原産地などを書いた証明書にも偽造の疑いが出ています。
北海道内を中心に全国の20社近くが同社の「牛ミンチ」などを原材料として仕入れ、加工して、それぞれのブランド名で商品として扱っていました。中には若者に人気の「ビーフコロッケ」「牛肉コロッケ」などもありました。コンビニや生協、大手食品会社の多くが販売を中止したり、独自にDNA鑑定や流通ルートのチェックをしたりするなど調査を進めていますが、消費者の不安は消えません。
ミートホープ社の田中稔社長は、問題が明らかになったときには疑惑をすぐに認めませんでしたが、記者会見で長男に「本当のことを話して」と促されて、指示したことを認めました。同社は事業を始めた田中社長の力が強いワンマン体制で、「混ぜてしまえばわからない」などと偽装に突っ走ったといわれています。
道警は虚偽表示の疑いで捜査
問題発覚後、同社の従業員約70人は解雇を通告され、一部は労働組合をつくって社長に交渉を求めています。北海道警察本部は不正競争防止法違反(虚偽表示)の疑いで捜査を始めました。
農水省の北海道農政事務所には2006年春、ミートホープ社の元役員から内部告発がありました。元役員らは、にせの「牛ミンチ」の実物を持ち込んで不正を訴えましたが、農政事務所は受け取らなかったそうです。突っ込んだ質問もされなかったといいます。それから一か月半後に農政事務所は「具体的な疑義が特定できなかった」との文書をつくっていました。元役員の内部告発は事実上放置され、にせ牛ミンチが広がるのを1年余り防げなかったことになります。
今の日本農林規格(JAS)法は消費者に売られる食品だけを対象にしているので、ミートホープ社のように業者向けの販売で不正があっても、違反に問えない可能性があります。こうした法制度の不備も、今回の問題で浮き彫りになりました。
(高橋 俊一・ジャーナリスト)
2007年7月8日
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