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緑資源機構に官製談合の深い闇
緑資源機構の出先機関から押収資料を運び出す東京地検の係官ら=5月25日、熊本県で

林道整備の入札で理事ら逮捕
天下り業者に発注した疑い

 農林水産省が管理する独立行政法人「緑資源機構」が官製談合事件で揺れています。発注する林道整備の仕事を、本来なら公平な競争入札で業者を決めるはずなのに、機構自身がリードして、機構などからの退職者を受け入れる業者に割り振った疑いです。東京地検特捜部が機構の理事や業者側の担当者らを独占禁止法違反の容疑で逮捕。捜査中に、林道関係の業者から政治献金を受けたと批判されていた松岡利勝・農水大臣が自殺し、動揺が広がっています。

 緑資源機構は農水省の中にある林野庁の外郭団体で、理事など幹部に農水省や林野庁の出身者が多数就任し、林道の整備や土地改良などをしています。

 こうした公共事業は普通、入札といって、仕事をしたい業者が競争して、最も安い額を示した業者が選ばれます。しかし、事前に業者を決めて、形だけの入札にしてしまう談合ではないかと、公正取引委員会(公取委)が検査に入りました。すると、ほとんど全部の入札で機構側が業者を指定していた疑いが出てきました。発注する官庁や独立行政法人がリードして進める「官製談合」です。

 公取委の告発を受けた東京地方検察庁特捜部が調べると、官製談合ははっきりしただけでも1998年ごろから続いていたのではないかと見られます。特捜部の調べでは、逮捕された理事は課長時代からこれをやり、業者側で逮捕者を出した四つの法人(財団・会社)で各年度の発注額全体の約70%を受注していたといいます。

 こういう状態を改善する名目で機構内に入札制度改革委員会が設けられましたが、今回逮捕された理事が委員になっていました。「談合防止」が形だけだったことになります。一部では、機構の課長らが業者の下請けまでふくめて利益配分を指示していたのではという疑いも浮上しています。

林野庁の天下り先だった機構
関係団体から献金の大臣自殺

 職員720人の緑資源機構に入る国の補助金などは、2007年度に約580億円。林道整備や造林など事業費のほか、人件費にも使われます。

 林野庁長官が就いてきた理事長以下の報酬・給与が高いことで林野庁内では「実入りのいい天下り先」だといわれているそうです。理事を半年から1年半務めただけで退職金をもらえます。退職者は機構と関係が深い団体へさらに天下る道も開かれています。しかも、談合を実際に進める「汚い仕事」は、天下りではない、もとから機構にいる理事や職員がやり、林野庁OBにタッチさせない習慣といいます。

 こんな実態に批判が高まる中で松岡農水大臣が東京・赤坂の議員宿舎で首をつっているのが発見されました。自殺と見られます。松岡氏へは林業関係の団体から合計1億円を超す政治献金があったと指摘されました。本人は「返した」と反論。しかし、松岡氏にはほかにも、政治資金団体が電気代も水道代もかからない議員会館を事務所にしながら、報告書に五年間で二千八百八十万円がかかったと記したとの批判も突きつけられていました。追及されて、「ナントカ還元水とかをつけている」と答えましたが、この疑惑は解明されずに終わりそうです。

 緑資源機構の事件は役所と関係業者、政治家を巻き込んだ「談合の闇」の深さを示しています。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2007年6月10日


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