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憲法改正の手続き定める国民投票法

国会で成立、投票年齢18歳以上 
今の14歳も4年後に投票権

 憲法改正の手続きを定める国民投票法が、国会で自民、公明両党の賛成多数で可決・成立しました。投票権は「18歳以上」。自民党には4年後の夏か秋にも改憲案を国会で発議しようという動きもあり、そうなれば、今の「14歳」も改憲に賛成か反対か、投票できます。次の国会からは衆参両院に憲法審査会が設置されます。

 憲法は国のあり方を示す最も中心的な法で、96条に改正について定めています。まず国会の衆参各院の総議員の3分の2以上の賛成で発議といって、改憲案が国民に示されます。これに国民投票で過半数が賛成すれば、憲法は改正されます。

 その具体的な仕組みを国民投票法が定めました。「審議がまだ不十分だ」という民主党など野党の反対を押し切った形で、この点には批判が強くあります。

 法の中身は@この国民投票は憲法改正だけに限るA改憲案の提出は3年間凍結B投票するのは18歳以上の国民C公務員と教育者の地位を利用した賛否の勧誘を禁止D投票14日前からテレビ、ラジオによる広告を禁止する、など。

 3年以内に公職選挙法などを改正し、選挙権を18歳以上とする考えも盛り込まれました。関連した法律の整備をしなければなりませんが、これまで大人と少年少女の境は20歳とされてきた原則も改められる方向です。

首相は改憲掲げて参院選へ
最大の論点は9条の扱いに

  憲法をかえようという主張は、自民党が長く持ってきました。安倍首相はその意欲が強く、改憲を夏の参議院議員選挙の争点にしようとしています。

 改憲論議となれば、最大の問題は憲法九条をどうするかです。9条は、1項で戦争放棄を定め、2項で戦力を持たないこと(戦力不保持)を打ち出して、国が戦争することを禁じています(交戦権の否定)。今の憲法が「平和憲法」といわれるのは、このためです。

 自民党は2005年にこれを改める草案をつくりました。戦争放棄は維持しながら、戦力不保持と交戦権の否定を削って、代わりに「自衛軍」を持つことを明記しています。この草案の扱いについては、党内でもいろいろな意見があるようです。一方、民主党は、自衛権を使うのを国の防衛にはっきり限定するべきだとの意見で、「未来志向」の憲法構想をめざすといいます。自民党といっしょに与党を組む公明党は九条を堅持し、環境権などを新しく憲法に加えることが先決とし、共産党や社民党は今の憲法を守る「護憲」の立場です。

 こうした各党の関係にも国民投票法は大きく響いてくるだろうとの観測も出ています。自民党だけでは全国会議員の3分の2に達しそうにないのです。このため、民主党との連携が必要になって、政界再編が進むという見方もあります。国民新党の動向も一つの要素になるかもしれません。

 ただ、朝日新聞が12、13日に電話で実施した世論調査で、投票のときに何を重視するか複数回答で聞いたところ、「年金」85%、「教育」81%、「格差」60%で、どれも「憲法」の55%を上回りました。投票法ができたからといって、国民の関心が憲法問題だけにあるとはいえませんし、参院選の争点にするべきことはほかにもいっぱいありそうです。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2007年5月27日


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