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温家宝首相が6年半ぶり来日
ガス田開発や軍との交流で一致
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立命館大学を訪れ、学生たちと記念撮影する温家宝首相=京都市北区
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中国の温家宝首相が日本を訪れ、11日に安倍首相と会談しました。中国の首相の日本訪問は六年半ぶり。両国の関係は少しずつ、よくなっているようです。
日本の企業は、賃金の安い中国に工場をたくさんつくっています。また多くの日本人が観光で中国に行くなど日中の経済的なつながりは深くなっています。しかし、最近の日中関係は、政治をめぐる関係がよくないため、「政冷経熱(政治が冷え込み、経済は熱く活発)」と呼ばれてきました。
前首相の小泉さんは、在任中に靖国神社を何度も訪問しました。この神社には、第2次世界大戦を指導した日本の政治家や軍人もまつられています。このため中国側は、日本の首相が靖国神社にお参りに行くのは、中国に大きな被害を与えた戦争についてまったく反省していないためだ、として強く反対してきました。2年前には、中国のあちこちで市民たちが大規模な反日デモをくり広げたこともあります。
安倍首相は、就任するとすぐ、中国との関係をよくしようとして去年10月に中国を訪問しました。これを受けて、温首相が「氷をとかす旅にしたい」として来日したのです。安倍首相は今年中にもう1度、中国を訪れる考えを示し、日本と中国の首脳が、ひんぱんに訪問し合う、いい雰囲気が生まれています。
今回、日中両国は「海の国境」近くにある、東シナ海のガス田を共同で開発することに合意し、具体策を考えることにしました。また日本側は、中国の軍隊が最近、力をつけていることを心配しています。このため、日本の自衛隊と中国軍の交流を進めることでも意見が一致しました。
温首相は、もともと地質学を専門とする技術者です。同じコートを10年間も着続けているというエピソードがあり、庶民の間で人気が高いそうです。今回の来日でも、ジャージーを着て太極拳をしたり、日本の大学生と野球をしたり、気さくな人柄をアピールしました。
開発による環境悪化は深刻
歴史問題や体制超え対応を
中国の人口は13億を超え、今、ものすごい勢いで経済開発を進めています。それにともない、空や海、川が汚れるなど環境の悪化は深刻です。春になると、中国の砂漠の砂が、強い西風に乗って韓国や日本に飛んでくる黄砂現象が起きます。開発が進み、砂漠が広がっているためで、年々ひどくなっています。砂に混じって、工場や自動車から出された汚れた物質もたくさん飛んでくるため、放置しておけば、日本人の体にも悪い影響が及ぶことが心配されています。環境問題は、国境を超えて、東アジアの国々が共同で対応しなければ、解決できません。公害を防ぐ日本の技術が役に立つでしょう。今回の首脳会談でも、環境問題での協力を強化することが合意されました。
日本は戦争中に中国に大きな被害を与えており、中国の人たちはこのことを忘れません。一方、今の中国は事実上、共産党以外の政党を認めていません。さまざまな政党があって、自由な選挙が認められている日本とは、政治体制が異なります。歴史問題や政治体制の違いを乗り越えて、どうしたら隣国どうしがうまくやってゆけるか、知恵をしぼるときです。
(桜井 泉記者・朝日新聞外報グループ)
2007年4月22日
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