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駆け引き続く「ねじれ国会」

補給支援法を衆議院が可決
野党強い参議院は採決も微妙

 国会で与野党の対決色が強まっています。衆議院は自民と公明の与党が、参議院は民主党など野党が、それぞれ多数を占めるため、主張が食い違う法案は成立しにくい状態です。「ねじれ国会」などと呼ばれています。インド洋の外国艦船に給油を再開する補給支援特別措置法案が、衆議院で与党の賛成で可決されました。参議院では野党が反発し、審議は後回しに。対立がさらに激化すれば、衆議院の解散・総選挙をにらむ展開にもなりかねない情勢です。

 首相の指名などは衆議院の意思が優先されますが、一般の法律は普通、両議院で可決してできあがります。もし衆議院が可決し、参議院が否決した場合は、衆議院でもう一度採決し、3分の2以上の賛成があれば成立します。ただ、そこまでいくことは、実際にはめったにありませんでした。

 以前は衆参両院とも与党の力が強かったためです。しかし、夏の参議院選挙で民主党など野党が勝ち、今国会は与党の思惑だけでは動かなくなっています。

 それが典型的に表れたのが、インド洋での自衛隊給油問題です。給油活動を定めたテロ対策特別措置法を政府・与党は延長することができず、期限切れになりました。

 この給油を再開させようと政府が国会に提出したのが補給支援特別措置法案です。衆議院で可決後、参議院に送られました。

 この問題にはもともと、日本が米国などに給油した燃料がイラク戦争に回されていたのではないか、給油量についての政府説明もあいまいだという指摘がありました。「疑惑が解明されきっていない」と、野党側は考えています。

再延長でも成立させたい与党 
解散・総選挙にらんで波乱も

 民主党は「首相のアメリカ訪問(11月15日〜17日)に向け、衆議院で法案可決を(自民党などが)急いで、おみやげにした」と批判を強めています。参議院では、民主党は補給支援特別措置法案よりも、防衛省の疑惑解明やイラクから自衛隊を引き揚げる法案の審議を優先させる方針です。

 参議院で法案審議の流れを決める議院運営委員会と、補給支援法案を扱う外交防衛委員会の委員長はどちらも民主党ですから、審議の順番を決める力があります。

 国会は12月15日まで。このままでは会期末に法案採決のタイミングを迎えるという微妙な状態です。審議未了で廃案になる可能性もあります。採決され、否決となった場合には、衆議院で3分の2の再可決を政府・与党側がねらうとしても、会期の延長が必要になりそうです。一度延長されているから、再延長です。

 再延長して衆議院で再可決とまでの異例の展開にもしなると、野党側が参議院で首相の問責決議案を提出することも考えられます。これは国会が首相につきつける決議でも、衆議院の内閣不信任決議と違って、内閣総辞職などに追い込む強制力はありませんが、ここまでいくと、解散・総選挙への「引き金」になる可能性も出ます。

 解散をささやく声が強まるような情勢を「解散風が吹く」などといいますが、国会議員やその周辺では早くも警戒や心配、あるいは慎重な姿勢など、さまざまな思惑がいきかっているようです。政界の駆け引きが続きます。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2007年11月25日


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