|
カップめん、お菓子、外食…次々
メーカー各社が価格改定に動く
|
|
| 身近な食品にも値上げの波が広がり始めています=東京都品川区のコンビニで |
めん製品やお菓子から一部のジュース類や外食、さらに肉や魚といった食品で、値上げに踏み切るメーカーなどが増えています。小麦などの原材料が世界中で値上がりしているのが大きな原因で、スーパーやコンビニで消費者が実際に買う値段もじりじりと上がりそうな勢いです。包装材や輸送費にかかわる石油価格の高騰もおさまらず、「値上げの秋」が食卓を直撃する気配です。
少し前まで、日本の経済は「デフレ」といって、物の値段がむしろ下がり気味で、それが賃金を抑えて、景気を悪くしていました。そこから景気全体は、地域や企業によってばらつきはありますが、徐々に回復してきたといわれています。ここで、目立ってきたのが食品を中心にした身近な商品の値上げです。
たとえば「カップヌードル」「赤いきつね」といった、多くの人におなじみの即席めんをつくるメーカーが相次いで来年1月から値上げを決めました。上げ幅は、それぞれ1個「10円から20円」「10%前後」といった具合です。
ほかにも、スパゲティやカレールー、ハム、ちくわ、冷凍食品、ポテトチップ、チョコ菓子、コーヒー豆など。10月中にすでに価格改定を発表した会社もあります。パンの最大手メーカーも12月から。この食パン値上げは24年ぶりといいます。値段はかえなくても、中身の量を減らした品物もあります。大手の菓子メーカーは10月からチョコ菓子製品の重量を10%減らしました。レストランやファストフードの値上げも続いています。
輸入に頼る小麦は前年の2倍
デフレで我慢「合理化も限界」
たいていは、高くて数十円か10%程度の価格アップですが、いつも買う食品ですから、軽くは考えられません。しかも、値上げはマヨネーズや料理によく使うサラダ油にも。食品ばかりか、ノートやコピー用紙という紙製品でも大手メーカーが値上げを打ち出しました。「デフレ」でがまんしていたメーカー各社が「合理化も限界」と、価格改定にどっと動き出したかっこうです。
世界的な原材料高騰の中でも小麦の国際相場は、前年と比べて2倍の水準。主な産地であるオーストラリアが干ばつといって、100年に1度という雨不足。石油にかわるバイオ燃料の開発が進んで、その原料となるトウモロコシなどに、小麦から作付けをかえる農場が増えたことも、小麦の生産量減少と値上がりにつながりました。
日本は小麦の90%近くを輸入に頼っていますから、大きな影響を受けます。政府が決める輸入小麦の売り渡し価格は、10月から値上げされました。
肉類は家畜のえさ・飼料費の高騰に加え、中国での消費が増えたことも響き、価格が上がっています。欧米では魚食ブームで、マグロやカツオの値が上昇傾向です。
市民にとって気になるのは、小売店の値段がどうなるか。メーカーが値上げしても小売店がその分を値引きし、店の小売価格は上がらないことも理論上はあり、そのために値上げされずにきたケースも実際にあります。スーパーや量販店の中には値上げに慎重なところも。一方で「それも、いつまでも続けられない」という関係者もいます。値引きの少ないコンビニあたりから、値上げが広がっていくかもしれません。
(高橋 俊一・ジャーナリスト)
2007年10月28日
|