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多くの製品事故で生活用品が凶器に
経済産業省が総点検
ガス風呂釜、シュレッダー…
指切断事故が問題になっているシュレッダー。紙を入れる幅が8ミリの従来品(手前)から、3ミリに改良されました

 生活に必要な道具や機器が人を傷つけ、時には命にもかかわる事故が増えています。ガス風呂釜による一酸化炭素(CO)の中毒事故が昨年までの21年間で百九件起き、89人が中毒死しました。このごろは家庭でも使われ始めたシュレッダーに指を切断された幼児もいます。電気式浴室乾燥機からの火事がここ5年半で24件も。便利さや快適さの陰に潜む危険をどうすれば防げるのか、対策が求められています。

 ガス瞬間湯沸かし器の事故に驚いた経済産業省が、生活用品12品目について総点検しました。すると、暮らしを助けるはずの製品が人の命までを脅かす「凶器」になったケースが、次々に浮かび上がってきたのです。

 ガス風呂釜の事故は、主に自然排気型の風呂釜で起き、換気が不十分だったことが原因とみられます。また、ガス瞬間湯沸かし器でも、パロマ製品の事故による死者21人のほかにも、昨年までの21年間に38人が死亡したことがわかりました。

 シュレッダーは、文書などを読まれないように細かく切る機械ですが、今年3月、2歳の女児が静岡市の事務所を兼ねた自宅で紙投入口に手を挟まれ、指九本を切断されました。7月には、別の会社の機種で東京都板橋区の2歳男児が指2本を切断。この総点検結果のほかにも、国民生活センターなどに10年間で4件の事故が報告されています。紙投入口の幅については法律上の基準がありません。

 電気式の浴室乾燥機の事故は、神奈川県相模原市や京都市、名古屋市、大阪府高槻市、東京都東村山市などで起き、電気の配線を接続する時に、はんだ付けや絶縁処理をしなかったために接触不良で発火したとみられています。

 電気床暖房器も、フローリングが焦げて変色する事故がありましたが、点検を終えたのはまだごく一部です。パソコンのリチウムイオン電池が異常に発熱し一部で出火するトラブルも起きています。インターネットのモデムから火花が出る事故も七件、報告されています。

一酸化炭素中毒事故を起こした機種と同型のガス湯沸かし器

会社に報告義務づけを検討
消費者にすぐ情報の公表を

 経済産業省は、事故が起きた場合に製品をつくった会社(メーカー)などに報告を義務づけようと検討を始めました。シュレッダーの技術基準も厳しくする方針です。ガス瞬間湯沸かし器については「製品自体に欠陥があった」として、メーカーのパロマ工業に製品回収の緊急命令を出しました。

 しかし、メーカーだけに問題があったわけではありません。事故発生直後からメーカーが経済産業省に連絡していたのに、消費者に呼びかけるなどの対策がとられていなかったケースもあります。浴室乾燥機の場合、メーカーが同省に連絡や相談をしましたが、公表が遅れました。この間に全国で製品事故に関係するらしい火事が起き、山形県では家が全焼する被害まで出ました。

 メーカーの責任は役所に報告すればすむわけではありませんが、経済産業省の対応も安全確保の気持ちが十分だったとはいえません。どんな製品も、事故が起きたら、その情報を隠さず、すぐに消費者に知らせることがまず重要です。

(高橋 俊一・朝日新聞記者)

2006年9月10日


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