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若い人の給料格差 広がったのはなぜ

20代年収150万円未満20%超す
派遣や請負が増え不安定に

 20歳代の若者に収入の格差が広がっています。年収150万円に達しない人が20%を超えました。派遣やアルバイトなど非正社員が増えたためとみられます。中には「偽装請負」と呼ぶ不正な雇い方をする会社もあって、低賃金が続き、安全責任もはっきりせず、不安定な雇用形態・働き方が問題になっています。
 この格差は、厚生労働省が八月にまとめた労働経済白書でわかりました。
 それによると、1990年代以降、非正社員はすべての年代で増えてきましたが、特に若者で目立ちます。92年からの10年間で、20〜24歳では10.7%から31.8%へと3倍近くに。25〜29歳では11.6%から22.7%に増えました。
 この人たちの一年間の収入(年収)は、150万円未満が15.3%から21.8%に増加。一方で、500万円以上が2.9%から3.2%へと増え、収入の少ない人と多い人の格差が広がりました。
 非正社員の若者は今、親と一緒の家で暮らしているケースも多いとみられますが、これから自立しなければならなくなった時にどうなるのか、心配されています。
 問題は収入だけではありません。派遣やアルバイトは、長く続けても、正社員になりにくく、会社の中で新しい能力を身につけるチャンスが正社員より少ないといいます。収入自体も低いままのことが多いのです。


安い賃金で不利な非正社員
使いやすい偽装請負が横行

 どうして、こういうことが進むのか。
 白書によると、物をつくる製造業の会社(メーカー)で、仕事の一部を外部に任せる「請負」が増えています。メーカーが請負会社と「こういう製品を作って」と契約します。製造業全体の三〇%に請負労働者がいて、五百人以上の会社では八〇%に上ります。
 「派遣」というやり方もあります。メーカーなどが「こういう仕事ができる人を」と人材派遣会社に頼み、その派遣社員に製品を作らせます。
 どちらも、メーカーのために働くことは同じですが、多くは正社員より安い給料で、景気が悪くなれば、人減らしをされやすい状態です。年金や健康保険などにも入っていないケースが多いようです。働く側からすると、正社員より不利な条件を押しつけられることになります。こうして、「格差」がつくられていきます。
 さらに、「偽装請負」といって、派遣なのに請負とうそを言って働かせるやり方が問題になっています。
 派遣は、給料は安くても、メーカーにも安全管理の責任があります。派遣従業員は一定期間以上働くと、メーカーに直接雇うように申し入れることもできます。メーカーなどがこうした責任を逃れようと、派遣を請負と見せかけて、自社の工場で働かせるのが「偽装請負」です。日本の代表的な大会社にも広がっています。
 指摘されて改善を図る会社もありますが、偽装請負は安い労働力を好きなように使えるので、なかなか減りません。
 こうした非正社員が増えることは、特に若い人たちの間で「格差」を広げ、社会全体の活力や安定を損なう恐れがあります。

 

(高橋 俊一・朝日新聞記者)

2006年8月27日


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