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埼玉の小学生が死亡
さくが外れて吸い込まれる
夏のプールで、悲しい事故が起きました。埼玉県ふじみ野市の市営プールで七月三十一日、所沢市の市立小手指小二年、戸丸瑛梨香さん(7)が流水プールの側面にある吸水口に吸い込まれ、病院に運ばれましたが、死亡が確認されました。吸水口のさくが外れていて、県警が原因を調べ始めると、ずさんな管理体制が明らかになってきました。
県警などの調べによると、三十一日午後一時半ごろ、さくが外れているのを遊んでいた小学三年の男児が見つけ、監視員に知らせました。監視員は無線で監視棟に連絡しましたが、それが吸水口のさくとわかったのは、監視棟からさらに事務室に電話し、管理会社の社員が来てからでした。
社員が補修用具を取りに行き、別の女性監視員一人がプールサイドに立ち、吸水口に近づかないように客に呼びかけたそうです。ところが、約十分後、潜水していた瑛梨香さんが吸い込まれてしまいました。女性監視員は社員に知らせに向かい、近くにいた母親(38)が大声で訴え、助けようとしたのですが……。
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| 小二の女の子が吸水口に吸い込まれ死亡したプール〓七月三十一日、埼玉県ふじみ野市で |
針金で固定、管理の「丸投げ」
学校プールなど1600か所不備
県警が業務上過失致死の疑いで調べると、縦横六十(センチ)、重さ約八(キ ロ)のステンレス製のさくは、固定するボルトがなく、針金だけで留めていたことが関係者の話からわかりました。この仮留め状態が「六、七年前から続いていた」といいます。
このプールにあった三つの吸水口のさく六枚の四隅計二十四か所のうちネジで固定されていたのは六か所だけだったことも、県警の調べでわかっています。監視員は大半がアルバイトの高校生。吸水口の仕組みや危険性を理解させられてはいなかったとみられます。
管理や運営体制そのものについても、問題があります。ふじみ野市と管理運営の契約を結んでいた会社が、市に知らせずに別の会社に「丸投げ」といって、仕事を全部下請けさせていた疑いです。これは契約違反で、市は怒っていますが、実態をつかんでいなかったとすれば、市や市教育委員会の責任も問われなければなりません。
プールの吸い込み事故は、これまでも起きています。宮城、山形、栃木、新潟県などで小学生や高校生が吸い込まれ、死亡しました。
厚生労働省は吸排水口にふたを設置し、ネジやボルトで固定するように求めています。文部科学省も、吸水口のふた設置の確認や固定を文書で求めましたが、ふじみ野市側が一部見落としていたといいます。
吸排水口に改善が必要な公立学校や公営プールは全国で約千六百か所にのぼることが、文部科学省の緊急調査でわかりました。こうしたプールは改善されるまで使わないように、文部科学省が都道府県の教育委員会に通知したので、影響を受ける水泳教室やイベントもありそうです。
(高橋 俊一・朝日新聞記者)
2006年8月13日
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