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湯沸かし器で相次ぐ中毒死事故なぜ?

パロマが自社責任を認める
死者20人超す、警視庁が捜査

記者会見で湯沸かし器の改造部分を示す関係者〓十八日、名古屋市で

 パロマ工業(名古屋市)がつくったガス瞬間湯沸かし器で、一酸化炭素(CO)中毒になる事故が相次いでいます。はっきりしただけで、事故は二十七件、死者が二十一人にのぼります。警視庁が捜査を始めました。
 経済産業省の調べでは、事故が起きたのはパロマが一九八〇年四月から八九年七月に製造した湯沸かし器が中心。室内の空気を取り入れてガスを燃やし、排ガスをファンで室外に出す仕掛けです。
 八五年以降、北海道や東京都などの住宅や店で住民や従業員がCO中毒で倒れる事故が起き、死者や重軽症者が出ました。同省がつかんだだけで十七件、パロマがさらに十件あったことを明らかにしました。事故は大阪府や福岡、秋田、長野県にも広がっていて、もっと増えるかもしれません。
 大半はファンが作動不良を起こし、COが室外に排出されなかったためとみられます。なぜそうなったのか、不正改造や、劣化といって装置が古びて動きが鈍ったことなどが考えられます。まだはっきりしない「調査中」のものもあります。製品の機能上の問題もあるかもしれません。
 パロマ側は初め、事故原因は安全装置の不正改造だと説明していました。古い湯沸かし器は安全装置が作動しやすく、お湯が出にくくなることがあります。修理業者が安全装置をすぐに動かないように改造したのではないか、というわけです。「だから、製品自体に問題はない」「改造していないものは大丈夫」などと、責任を否定していました。
 しかし、事故の実態が明らかにされるにしたがって、不正改造と確認された中に、パロマの社員や系列のサービスショップ従業員が修理したケースもあったことが判明しました。

一酸化炭素発生の原因調査
点検義務のあり方も検討を

 パロマ工業とその親会社のパロマは、主張を改めて「メーカーとしての責任」を認めました。機器が古くなったために起きた事故があるうえ、会社のトップも十五年前から事故発生を知っていたといいます。ただし、設計上、機能上の責任までは、パロマははっきり述べていません。
 ところが、発売の二年後に部品の、はんだが割れる問題が起きていたこともわかり、設計上の欠陥があった疑いも出てきました。
 こうした重大な事故を起こした会社や責任者は業務上過失致死傷罪に問われますが、時効といって、事故から五年を超えると、刑事裁判を起こせなくなります。事故は、大半が発生から五年以上たっています。ただ一つ、東京都港区南麻布のアパートで昨年十一月、当時十八歳の大学生がCO中毒で死亡した事故は、まだ時効にかかりません。
 この事故について、警視庁は業務上過失致死傷の疑いで捜査を開始。現場から基準濃度の四百倍のCOが検出されました。この湯沸かし器には、排気ファンが動かなくなると、ガスを止める安全装置がついていましたが、実際にはガスが流れるように改造された疑いが強いとみられます。警視庁は、燃焼実験などもして、改造とCO発生の関係を調べています。
 今回の「安全装置」を誰が点検するべきか、法律などにはっきり書いてありません。CO発生の原因を究明することと同時に、メーカーや業者の点検義務のあり方もしっかり議論されなければなりません。

(高橋 俊一・朝日新聞記者)

2006年7月30日


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