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国連安保理、全会一致で採択
北朝鮮は拒否し、世界で孤立
北朝鮮が今月五日、ロシア沖の海にミサイル七発を発射したことについて、国際連合(国連)の安全保障理事会(安保理)が十五日、これを非難する決議を、すべてのメンバーが賛成して採択しました。安保理では、常任理事国と呼ばれるアメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国に拒否権があり、一国でも反対すれば決議を採択することができません。今回は、北朝鮮と親しい中国やロシアも賛成して決議が採択されたため、北朝鮮の国際的な孤立がはっきりとしました。
決議の内容は、北朝鮮のミサイル発射を非難し、ミサイル計画をやめて発射しないように約束することを求めています。国連に加盟している国に対しては、北朝鮮のミサイル計画に協力するような技術を教えたり必要な物資を与えたりしないことを求めています。また、北朝鮮は核兵器の開発を進めており、それをやめるよう強く求めています。
日本やアメリカは、将来、北朝鮮との貿易などを禁止する経済制裁や軍事的な攻撃が可能になるような、もっと強い内容の決議を求めていましたが、中国とロシアが反対しました。そこで中国などと話し合い、北朝鮮のミサイル発射を非難する決議を採択することになりました。
北朝鮮の国連大使は、すぐに決議を拒否し、ミサイル発射を今後も続けることを表明しました。これまで友人だと思っていた中国やロシアまでもが自国を非難する決議に賛成したのですから、北朝鮮にとって衝撃は大きかったでしょう。
支援も止まり苦しい立場に
周辺各国は対話への説得を
同じ時期にロシアでは、アメリカや日本などの大国が集まり、主要国首脳会議(G8サミット)が開かれました。ここでも北朝鮮のミサイル発射を非難する声明が発表されています。
北朝鮮と同じ民族で同じ言葉を話す隣国、韓国はこれまで北朝鮮との対話を重視してきました。韓国の盧武鉉大統領は、経済援助や交流を積極的に進めてきました。しかしその韓国も、北朝鮮のミサイル発射を受けてコメや肥料の支援をやめ、政府同士の会談も開かれる見込みが立っていません。北朝鮮は、気候や農業技術の遅れなどからコメがいつも不足しています。石油などのエネルギーもありません。韓国や中国など周辺の国々からの支えがなければ経済がうまく回らないのですが、今回のミサイル発射で支援を得られなくなり、いっそう苦しい立場に追い込まれるでしょう。
北朝鮮は、核問題を話し合いで解決するための六者協議(北朝鮮、韓国、中国、米国、ロシア、日本が参加)に戻ることを拒んでいます。六者協議は昨年九月に北朝鮮の核放棄などを盛り込んだ共同声明を発表し、北朝鮮も同意していますが、話し合いが進んでいません。
米国は、イラクに多くの軍人を派遣しているほか、イランの核開発、イスラエルとレバノンの武装組織との対立の深刻化などで、北朝鮮に対して新たな強い措置をとる余裕はありません。六者協議に戻るよう、北朝鮮をねばり強く説得するしかないようです。
(桜井 泉・朝日新聞外報部)
2006年7月23日
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