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16年夏季五輪に東京と福岡が立候補

8月に日本の候補地一本化
「コンパクトな大会」をPR

東京都が発表した夏季五輪のメーンスタジアムのイメージ図
福岡市による競技会場や周辺の予想図

 2016年の夏のオリンピック(五輪)を開こうと、東京都と福岡市が立候補しました。日本の候補地をどちらにするか、8月に国内競技団体の代表ら55人による無記名投票で一本化されます。最終的な開催地は、09年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会で各国の候補地の中から選ばれます。
 都と福岡市は日本オリンピック委員会(JOC)に概要計画書を出して、特長をPRしています。掲げるのは、どちらも「コンパクトな大会」。これは五輪が大きくなりすぎて、ぜいたくなぐらい経費がかかるという反省から、世界的な流れでもあります。ただ、都と福岡では、ねらいや内容がだいぶ違います。
 実現すれば2度目の開催になる東京都は、石原慎太郎知事が「今の日本は閉塞感で覆われている」と指摘。なんとなく行きづまったような世の中の感じを打破し、日本の存在感を世界に知らせるチャンスだと言っています。国から補助をいっぱい引き出して、交通網の整備などを一気に進めるつもりもありそうです。
 福岡市の山崎広太郎市長は、08年北京(中国)、12年ロンドン(英国)と首都での開催が続くことに「地方都市でもできる新しい姿を」と力説しています。東アジアに近い点も生かして、交流の場にもする考えです。
 コンパクトさについては、どちらも半径10キロ内を中心に競技場や選手村を配置するといいます。
 都の場合、新しく建設するのは10万人が入るメーンスタジアムなど2施設だけ。運営費は全額、チケットを売って賄います。土地はすべて都有地。会場が集まる東京湾の埋め立て地百50fを緑化し、開会式では鉄腕アトムのロボットが空を飛んで聖火台に点火するそうです。
 福岡市の場合は、「コンパクトさの度合いが違う」といいます。博多湾周辺の3地域に会場を集中させ、選手村とメーンスタジアムは隣り合わせ。「選手の80%が20分以内で競技会場に行ける」ようにします。

財政不安、市民の支持も必要

 どちらも、問題はあります。都は今年度から費用の積み立てを始めましたが、施設整備費4956億円のうち、都などが出すのは10%弱。国や民間の出資を考えていますが、うまくいくかどうか。都西部の多摩地区での開催が少ない点に反発も出そうです。
 福岡の計画地約90fは、倉庫や製粉会社が建っていて、買収が必要です。施設整備費4864億円のうち、市が970億円を出します。五月の市民アンケートでは、半数近くが財政面で不安だと答えました。
 どちらの議会でも、誘致の決議が全会一致になりませんでした。両都市とも、アピール競争だけでなく、市民多数の支持や共感を得ることも必要です。
 今、JOCの委員らが両都市を訪問して計画を確かめています。8月30日に日本の候補都市を一つにしぼります。
 09年9月にコペンハーゲン(デンマーク)で開くIOC総会では、過半数の票を集める都市が出るまで一回ごとに最下位をふるい落とす方式で約百人の委員が投票を繰り返します。今のところ、マドリード(スペイン)、リオデジャネイロ(ブラジル)、プラハ(チェコ)が立候補の意向を示し、米国にも動きがあります。

(高橋 俊一・朝日新聞記者)

2006年7月16日


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