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| (注)「会計士補」とは公認会計士になるための3つの試験のうち、第2次試験まで合格した人のことを指す |
金融庁、カネボウ粉飾決算でで
決算ごまかす手助けに処分
「会社がもうかっているように見せかけるのに協力した」と、会計の専門家らでつくる中央青山監査法人が、金融庁から仕事の一部にストップをかけられました。業務停止命令といいます。7月から2か月間、主に大企業2300社向けの監査ができなくなります。
会社(企業)はもうかれば利益、そうでなければ損失が出ます。それがどれだけか、正直に決算としてまとめなければなりません。でないと経営の実態がわからずに、その会社と取引する相手や、株を売り買いする人たちがごまかされて、思わぬ損をしてしまうからです。
この決算を正しくやっているかをチェックするお目付け役が、監査法人です。中央青山は日本の4大監査法人の1つで、国から会計の専門家として認められた公認会計士を千人以上もかかえ、社員・職員総数3500人、トヨタ自動車やソニーなど約5500社と契約していました。
ところが、カネボウという薬品や食品などを扱う会社の経営者が、本当は損していたのに、もうかっているようにごまかす粉飾決算をしたとして、昨年、摘発されました。このときのお目付け役が中央青山監査法人です。
検察庁などが調べた結果、「中央青山はうその決算ではないと言って、ごまかしの手助けをしたらしい」とわかったそうです。この粉飾決算事件では、中央青山の会計士3人が裁判で事実を認めています。
中央青山には、監査結果を社内の別の会計士や審議会が点検する制度もありますが、きちんと活動していませんでした。金融庁は、中央青山全体の業務停止とともに、粉飾決算に関係した会計士2人の登録を取り消し、ほかの1人を1年間の業務停止にしました。
会計お目付け役の信頼低下
契約解除で変更する会社も
監査法人が業務停止になると、チェックしていた会社との契約をいったん解除しなければなりません。停止期間が過ぎてからどれだけの会社が中央青山と再契約するかは、わかりません。信頼低下を恐れて、監査法人を変更する会社もあるかもしれません。
中央青山は、執行部の交代や名前を変え、出直しをめざす方針です。しかし、協力関係にある米国の大手会計事務所が日本で新監査法人を設立することを発表するなど、分裂の可能性も出てきました。
こうした、お目付け役のはずの公認会計士が、会社の決算ごまかしを助けたり、見過ごしたりする例は、これまでもありました。ホリエモン・堀江貴文被告が逮捕されたライブドア事件でも、もうかっているように見せかけたライブドアの決算を「適正」と判定した監査のやり方が問題にされました。米国でも巨大企業の不正に会計士がかかわっていた事件があります。
決算が正しいと、みんなが信じているから、取引も増え、会社の事業に投資も集まります。ウソのない会計処理は、経済が活発に動く前提といっていいのです。今回の業務停止命令は、金融庁が「決算での違法行為は許さない」という姿勢を明確にしたことを意味しています。
(高橋 俊一・朝日新聞記者)
2006年5月21日
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