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核兵器開発?各国が警戒
ウラン濃縮再開の強硬姿勢
イランが進める核(原子力)開発をどうするか、国連の安全保障理事会(安保理)で議論が行われています。イランは原子力発電などの「平和利用」が目的だと訴えていますが、米国や欧州諸国は「ひそかに核兵器をつくろうとしている」と疑っているのです。
原子力発電に使われるウランという物質は、遠心分離器などの機械を使って濃縮していけば、核兵器の弾頭にも使えるようになるのです。
米国や中国など先に核を持った五か国以外の国に、核兵器の放棄のかわりに平和利用を認める核不拡散条約(NPT)というのがあります。加盟国は、核兵器をひそかに作っていないか「核の番人」と呼ばれる国際原子力機関(IAEA)が査察することを受け入れる義務を負っています。イランはNPTに加盟しています。
濃縮ウラン問題は、4年前、イランの反体制派グループが「秘密のうちに核施設の建設が進んでいる」と暴露したことから発覚。イランはその後、いったんは英仏独とウラン濃縮停止に合意しましたが、昨年に就任したアフマディネジャド大統領の政権下で濃縮作業が再開されました。大統領は、濃縮ウラン製造に関して「核技術保有国の一員になった。歴史的偉業だ」などと挑発的な発言も目立ちます。さらに、弾道ミサイルの実験成功をアピールする姿勢は、各国が警戒する要因にもなっています。
制裁決議には足並みの乱れ
安保理は3月末、「30日以内の濃縮の中止」を求める議長声明を出しましたが、イランは「核開発の権利を放棄するつもりはない」とこれに従いませんでした。その後、イランに制裁をするための決議をするかどうかが話し合われてきました。IAEAのエルバラダイ事務局長は期限最終日に「イランが濃縮活動を継続、拡大している」と指摘した上で、「核弾頭製造の説明書とされる資料の提出を拒否するなど、疑惑解明のための情報開示やIAEAへの協力が不十分だ」とする報告書を安保理などに提出しました。
しかし、安保理常任理事国5か国も、それぞれのイランとの関係によって、足並みがそろいません。原発をイランに売るロシア、イランの原油を輸入する中国は、決議に慎重になっています。議長声明の際にも、中・ロに一歩ゆずる形で表現がやわらいでいました。
米国は「(制裁や強制行動について定めた)国連憲章7条に基づく決議以外にとる道はない」とし、制裁に向けて強硬な姿勢を示す一方で、ロシア、中国は制裁に反対。中国は「(軍事的にもイランを追いつめるような)多くの決議が後から続くことになってしまう」と心配しています。
米国は、安保理決議ができなければ、イラン制裁に賛同する「有志」だけで事を進める姿勢も見せました。軍事行動の可能性もささやかれており、「第2のイラク(戦争)」になるのでは、との心配も深まっています。
日本は、イランのアザデガン油田というところで大規模な開発を進めています。またイランとは長年、友好的な関係を続けてきました。米国がイラク戦争のときのように、日本にイラン制裁の「有志連合」に加わるよう求めてきたら、どうすればいいでしょうか。みなさんも考えてみてください。
(杉山 正・朝日新聞外報部)
2006年5月14日
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