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| 若者向けの新雇用制度(CPE)撤回を求め、デモに集まった高校生たち〓十八日、パリで |
新雇用制度導入でデモ拡大
26歳未満の若者たちが対象
「2年間は解雇自由」に反発
フランスの若者や労働者たちが政府の対応に怒り、パリをはじめ全国でデモが広がっています。企業が二十六歳未満の若者を雇う場合、採用から二年間は理由を示さないで自由に会社を辞めさせることができる制度(CPE)を、政府が実施しようとしているからです。
フランス政府は、「企業にとって若者を雇いやすくなり、失業が減る」と言っています。フランスではこれまで労働者の権利が手厚く保護されていて、企業が正社員をクビにするのが難しくなっています。このため企業は社員を雇うことに慎重になり、結果として失業が増えているというのが、政府の言い分です。
新しい制度では、経営が苦しくなれば、企業は若い社員を自由に解雇できます。これによってフランスの企業が競争力をつけて、アメリカや日本の企業に負けないようにしたいというねらいがあります。
しかし、学生や労働組合は「こんな制度では、いつ会社をクビになるかわからない」と強く反対し、「仕事が不安定な若者に部屋を貸してくれる人などいない。銀行がお金を貸してくれるわけもない」と将来の生活を心配しています。学生たちの抗議で大学の八割、高校の二割以上で授業ができなくなっています。
大統領の座狙う首相の思惑
デモ収拾、話し合いで解決を
フランスは、人々が街でデモ行進して様々な要求をする「街頭民主主義」の国です。一九六八年には学生や労働者のデモによって当時のドゴール大統領が追いつめられた「五月革命」が起きました。今回のデモも対応を誤れば、ドビルパン首相が苦しい立場に追い込まれるでしょう。
来年には大統領選挙があり、ドビルパン首相が大統領の座をねらっています。首相は、新しい雇用制度を実現することで指導力のある政治家として認められ、企業の経営者たちから支持を得たいという思惑もあり、強い態度で臨んでいます。一方、野党側は、労働者や学生を支持し、政府に圧力をかけています。しかしこうした政治的思惑をからめるのは、問題の解決を難しくするだけです。
デモはだんだん激しくなり、車に火をつけるなどの暴動も起きています。フランスにはアフリカから来た移民がたくさん住んでいますが、社会の混乱につけ込んで移民たちを襲う動きも出ています。
昨年十一月には、失業や差別に苦しむ移民たちによる暴動が、やはり全国で起きました。今回のデモ騒ぎでフランスは危険な国だというイメージが広がり、外国の観光客の足が遠のけば、経済に大きな影響を与えます。政府側も、若者や労働者の側も、お互いに冷静になり、話し合いで早く解決するしかないでしょう。
(桜井 泉・朝日新聞外報部)
2005年4月2日
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