こどもアサヒ > ニュースドンとこい! > ニュースドンとこい!過去一覧

ライブドア 53億円の粉飾決算

堀江貴文前社長(逮捕前)

堀江前社長らを追起訴
資金環流工作、前社長は否認

 ライブドア(LD)の堀江貴文前社長(33)が証券取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で、東京地検特捜部から東京地方裁判所に起訴されました。起訴は、検事が裁判を始めるよう申請することです。

 正確には、今回は追起訴です。堀江前社長はすでにうわさなどを流して株価上昇を仕組む「偽計取引」や「風説の流布」の罪で起訴されているので、問われる罪が増えた形です。ほかの前取締役やLDの会社そのものも起訴・追起訴されました。

 地検が問題にするのは、堀江前社長らがLDの二〇〇四年九月の決算で、実際は三億円の赤字なのに、五十億円の黒字が出たといううその有価証券報告書を作ったとの容疑です。

 自分の会社の株を売っても売上高に含めることはできません。LDはこれを売り上げに入れ、さらに実際にはない取引で売り上げがあったことにして、もうかったように見せかけたと地検特捜部は考えています。こういうごまかしを粉飾決算と呼びます。堀江前社長とLDは「五十三億円余の粉飾をした」と追及されているわけです。

 起訴の内容通りなら、LD粉飾決算の中心は「資金環流工作」です。やり方は@新しい株を発行するAもうかっていると装って株価をつり上げてから高く売るB得られたお金を「会社の事業で得た利益だ」と装って決算報告書に盛り込む、というトリックでした。

 そのために「投資事業組合」といって、届け出がいらず、出資者の名前も公開されない組織がつくられていました。この組合と香港やスイスの金融機関などの間でお金や株を動かし、それをLD本体に戻すといった巧妙な取引が繰り返されていたようです。その実態が、地検特捜部の調べで浮かび上がってきました。

 こうした容疑を、堀江前社長は全面的に否認しているといいます。しかし、ほかの前取締役らは容疑をほとんど認めていて、地検特捜部は関係者の話などから、堀江前社長が粉飾を主導したと見ています。


業務提携について会見するライブドアの平松庚三社長(右)と、USENの宇野康秀社長=16日

株上場廃止で賠償請求も
USENが提携して支援

株式市場でもLDの扱いが変わります。LDの株はこれまで、「上場」といって、東京証券取引所(東証)のマザーズという市場で売買が認められてきました。東証がこの上場をやめることにしたのです。

 うその疑いがある有価証券報告書で投資家を惑わす会社の株を、市場で売買させるわけにいかない、という理由です。LD株を、まずは整理ポストという分類に入れ、投資家に示したうえで、四月十四日付で上場廃止となります。

 LDの株主は二十二万人。被害者の会や被害者弁護団が結成され、LDに損害賠償の請求訴訟を起こすことを検討しています。一方で、有線放送や無料インターネット動画配信の会社・USENがLDと提携し、支援する方針を固めました。

 こうした動きをどう思っているのか、ホリエモン、堀江前社長は東京拘置所に収容されて五十日を超えました。取り調べの時間以外は科学の図鑑や歴史書を読んだり、韓国語を勉強したりしているそうです。


  (高橋 俊一・朝日新聞記者)

2005年3月26日


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します