こどもアサヒ > ニュースドンとこい! > ニュースドンとこい!過去一覧

地方空港がいっぱいで経営が心配


神戸空港がオープン
利用客増えず赤字が目立つ

 国内で九十七番目の空の玄関・神戸空港が十六日、オープンしました。三月に新北九州空港、二〇〇九年には静岡空港もでき、日本中に百近い地方空港がひしめくことになります。地元の政財界などはどこも「必要だ」と強調していますが、利用客が増えず、赤字を税金で補うところも目立ち始めました。こんなにも本当に必要なのか、不安は解消されないままです。

 国は、静岡を最後に離島を除いた地方空港の整備を抑える方針です。でも、全国の四十七都道府県のうち三十八都道府県に九十を超す空港。もう、空港のない県の方が珍しい状態です。

 問題は、地方の空港でも建設費や維持費がとてもかかること。これを飛行機の着陸料や停留料といった使用料でまかなうのですが、この空港経営が年々厳しくなっています。

 航空会社が「お客がどうも増えそうにない」と、便数を抑える。すると、不便なのでお客はさらに空港を使わなくなる||これでは赤字はかさむばかりです。

 石川県の能登空港は開港当初、羽田(東京)、大阪、名古屋と結ぶ三路線をと考えていましたが、羽田との一路線しかなく、〇三年度の年間利用客は見込みの半分に達しませんでした。〇四年度の収入は約二千九百万円で、支出は約二億四千五百万円。秋田県の大館能代空港も当初の年間利用予測六十五万人前後に対し、実際の利用は十六万人強といいます。


税投入や航空業界にも問題


 空港の赤字は、各県が税金を投入して補っています。

 能登―羽田便(往復)には実は、開港にあわせてユニークな「搭乗率保証制度」が設けられました。一日二便を運航してほしい地元が慎重な航空会社を説得するためです。二便目の年間搭乗率が七〇%(二年目から六三%)を切った場合、差額を県と周辺十九市町村で最大二億円まで負担します。

 似た制度は山形空港でも実施されています。空港から市街までのバス代金の一部を助成する県もあります。実質的な地元負担をさらに上積みしているわけです。

 マリンエアという愛称の神戸空港は、総事業費三千百四十億円、当初で利用客年間三百十九万人を見込んでいます。しかし、周辺には大阪市の中心部に近い伊丹(大阪)、国際線も乗り入れる関西の二空港があり、「共存共栄できるのか」との心配も根強いようです。

 航空業界は今、中核ともいえる日本航空(JAL)で、グループ企業の役員が管理職約五十人の署名を添えて社長に業績不振や運航トラブルの責任をとって辞めるように求め、大もめです。社長は辞任要求を拒否しました。乗客から見たら「これで安全対策や快適な空の旅は大丈夫か」と言いたくなります。

 そんなJALの「内紛」とは違いますが、採算を考えて路線の廃止や運休に踏み切る航空会社も出始めました。これが進むと、地方空港の経営をさらに追い込む可能性もあります。
 航空業界が問題をかかえる中で次々と造られる地方空港。税金投入以外の対策とともに空港自体がどこまで必要なのか、問われています。





  (高橋 俊一・朝日新聞記者)

2005年2月26日


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します