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少子化で「全入時代」迫り大学再編へ

慶応大と共立薬科大が合併
国公私立とも学生集め本腰

合併の記者会見をする慶応大と共立薬科大の関係者〓11月20日

 大学をめぐる環境が変わってきて、大学同士の合併、再編成が進んでいます。子どもの数が減る少子化で、入学志願者数と実際に入学する人の数が同じになる「全入時代」が近づいているためです。慶応大と共立薬科大が合併することを決めたのも、こうした事情が響いています。大学統合の動きはこれからも続きそうです。
 高校を卒業する18歳の人口は年々減り、大学を受験する志願者数も減り続けています。1992年度に国公私立大学を受験した人は、延べ約506万人。2006年度は約351万人にまで減りました。
 反対に、公立大の新設や、私立短大の4年制への改組で大学は増え続けています。02年度は523大学で、定員は約47万人でした。06年度は709大学、56万人。文部科学省は07年度にも「全入時代」が来ると予想しています。
 受験生は、力のある大学に集中します。このため、地方の新しい私立大学を中心に、ここ数年は、受験者数が入学定員より少ない大学が急増。定員割れした私立大学は、全体の40%を超えたといいます。
 そんな中で、国立大学が法人化といって、04年度年から国から独立して運営されることになり、学生集めに本腰を入れ始めました。東大は札幌、大阪などで大学説明会を開き、地方からの学生取り込みに乗り出しました。京都大や東北大、名古屋大も入試改革をして学生集めに努める構えです。
 有力な私立大学も改革を進めています。明治、立教、法政大学は新学部を立ち上げ、早稲田大学も学部の大規模な再編をめざします。

定員割れすると経営厳しく
他校と統合など生き残り策

 この動きはそれぞれの大学内だけで終わりません。山梨大と山梨医科大が合併して新しい山梨大に、東京商船大と東京水産大が合併して東京海洋大になり、大阪府立大と大阪女子大なども新しく大阪府立大となりました。今年1月には同じ兵庫県西宮市の関西学院大と聖和大が合併を前提に話し合いを始めました。
 一方、昨年6月には山口県の萩国際大が定員割れにより経営破綻。福岡市の東和大も学生を確保できそうにないと、来年度の募集を停止しました。
 どちらも東京都港区にある慶応大と共立薬科大の合併は、慶応大が共立薬科大を08年4月をめどに統合する形で、薬学部と大学院薬学研究科を設置します。慶応大は実績のある薬学部を持つことができ、共立薬科大にとっては慶応大の付属病院で実習しやすくなるうえに、学生・受験生の確保にもつながります。研究や医療分野でも協力できそうです。
 薬学部の人気は高いのですが、大学の新設も多く、志願倍率が下がっていました。そこへ、薬剤師になるための履修期間が、これまでの4年間から6年間になったという事情もあります。
 学部が一つだけの単科大学を総合大学が統合する意欲は強い、といわれています。少子化時代に生き残りを図る大学の動きから目を離せません。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2006年12月9日


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