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竜巻や突風発生、深刻な被害目立つ

この1年で死者は17人
北海道佐呂間町、最大級の風

竜巻発生前の気圧配置

 竜巻・突風の深刻な被害が目立っています。北海道佐呂間町で7日、竜巻で9人が死亡、20数人がけがをしました。この竜巻をふくめた突風災害によるここ1年間の死者は、全国で17人。積乱雲の発達で突然、発生する場合が多く、地域は限られていますが、大きな被害をもたらします。
 佐呂間町は北海道東部のオホーツク海とサロマ湖に面した、ホタテ貝と農業の町です。ここで7日午後1時過ぎ、ものすごい竜巻が発生し、トンネル工事の事務所や宿舎、付近の住宅などを直撃。被害は竜巻が通った跡に沿って帯状に広がり、壊れた建物の下敷きになった工事関係者ら九人の遺体が見つかりました。
 このうち八人は、事務所の二階で打ち合わせをしていたところを、事務所ごと約60bも飛ばされたとみられます。巻き込まれた建物の部材や品物が約15`も離れた場所まで飛びちっていました。竜巻の強さを示す「藤田(F)スケール」では、F3クラスにあたるといわれ、F3では風速は(秒速)70〜92bとされます。これまでに国内で観測された最大瞬間風速は、85.3b。今回の竜巻は、国内最強クラスの風速だったらしいと推測されています。
 「屋外のガスボンベが壁を突き破った」「バケツをひっくり返したような雨が降ったかと思うと、今度はその雨が空に吸い上げられた」と、目撃した人は話しています。竜巻の原因は、気象庁で調査中ですが、低気圧から寒冷前線が延びて、積乱雲が発達したためではないかといわれています。

前線に寒気、積乱雲が発達
地域は限定的、予測は難しい


 札幌管区気象台によると、この日午後1時前、佐呂間町に近い北見市付近に高さ七千〜八千bの積乱雲ができたようです。1時間に80_以上の激しい雨を伴う雷雲が、時速約80`の速さで北北西に進み、午後1時半ごろに佐呂間町の上空に達しました。積乱雲が発達する過程では、空気の激しい対流が起きます(図のD)。すると、上昇気流ができ(図のB)竜巻の渦をもたらします。
 積乱雲がここまで発達したのは、寒冷前線の上空に寒気が流入し、地上の温かい風とぶつかった(図の@とA)ためといいます。
 昨年12月、山形県のJR羽越線で特急が脱線・転覆、5人が死亡。突風が原因といわれました。今年9月には宮崎県で、台風13号の竜巻で3人が亡くなりました。佐呂間町の竜巻発生と同じころに北海道の豊富町、日高町でも強風が吹いたようです。
 竜巻自体の発生回数は特に増えていないといいますが、人が集まる場所に集中しています。問題は「いつ、どこで」発生するかの予測がむずかしいこと。竜巻が起きれば、その破壊は一瞬です。建物や列車の安全確保に有効な対策は、今のところ、なさそうだともいわれています。
 被災地の佐呂間町は、これから寒さを増し、雪と流氷の季節を迎えます。生活の再建支援を急がなければなりません。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2006年11月19日


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