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バングラデシュのユヌス氏が創設
貧しい人に担保なしで貸す
住民全員に返済の連帯責任
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グラミン銀行総裁のムハマド・ユヌスさん=10月、東京都内で
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今年のノーベル平和賞は、バングラデシュのグラミン(農村)銀行と、その創設者のムハマド・ユヌス氏に与えられることになりました。農村の貧しい人々にお金を貸し、貧しさから抜け出すのを助けた、というのが理由です。ユヌス氏は日本を訪れて10月25日に開いた記者会見で「もうけることばかりを考える事業でなく、社会のためになる事業を考えることが大切だ」と話しました。
グラミン銀行と一般の銀行では、どんなところが違うのでしょうか。
銀行の仕事の1つは、お店を作ったり事業を立ち上げたりするのにお金が必要になった人や会社に、お金を貸し出すことです。期限が来たら利息を付けて返してもらうのですが、事業がうまくいかず、返してもらえないこともあります。それでは銀行は損をするので、銀行はお金を貸す前に「お金を返してもらえなかった時に代わりにもらうもの」を借りる人との間で決めておきます。これを「担保」といい、土地や家などがよく対象になります。
担保にできるものがない場合、一般の銀行はお金を貸してくれません。損をするのが嫌だからです。このため、土地や家などがない貧しい人が、「新しい仕事を起こして豊かになりたい」と銀行からお金を借りたくても、なかなかうまくいきませんでした。
そこでグラミン銀行は30年前から、一般の銀行がお金を貸してくれない貧しい人たちに、担保なしにお金を貸すことを始めました。貸すお金は百j(1万円強)程度と少しにして、担保を求めない代わりに、借りた人が住む村の住民全員に連帯してお金を返す責任を負ってもらうことにしました。このため、グラミン銀行は「貧者の銀行」とも言われます。
起業や勉強…返済率は90%
各地の貧困対策に取り入れ
貧しい人はグラミン銀行から借りたお金を元に勉強を始めたり事業を起こしたりして、貧しさから抜け出そうとしました。これがユヌス氏とグラミン銀行の狙いでした。貧しい人にお金や物を恵んで助けるという考え方もありますが、ユヌス氏は「それでは、いっときしか人を楽にできない。自分でがんばることが大事だ」と考えていたのです。
また、バングラデシュでは男女平等という考え方が広がっておらず、女性がお金を借りることは難しかったのですが、グラミン銀行は女性に貸し出すことに力を入れました。その結果、女性が社会に進出することも後押ししました。
本当にお金を返してくれるのか、と心配する人も多かったのですが、返済率は90%にも上るといいます。これは一般の銀行よりもいい数字です。
グラミン銀行は現在、バングラデシュの約7万の農村で660万人以上に貸し付けをしています。「担保を取らず少しだけ貸す」(マイクロクレジット)という考え方は世界各地の貧困対策に取り入れられ、対象者は1億人を超えていると見積もられています。
(阿久津篤史・朝日新聞外報部)
2006年11月12日
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