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津波予報「2分以内」に発表めざす

気象庁、半世紀で20分短縮
緊急地震速報で実現にめど

 地震が起きてから「津波がくるぞー」という予報発表までの時間が縮まりそうです。10月から気象庁が2分以内に発表することを目標にかかげました。今年の夏から地震発生を数秒前に予測する緊急地震速報がスタートしたおかげで、津波予報時間短縮も実現のめどがついたのです。半世紀で20分早くなりますが、「少しでも早く逃げる心構え」は今も必要です。

 地震に伴って海岸に大きな波が押し寄せる津波。予報によって被害を防ごうという取り組みは、太平洋戦争の直前(1941年ころ)に始まったそうです。

 気象庁が全国的な予報を出すようになったのは、戦後の52年といいます。コンピューターなどない当時は、職員の手作業で震源を探り当てたので、地震発生から予報を出すまで20分から30分かかっていました。

 しかし、60年のチリ地震では、津波が日本まできたのが地震の翌日だったのに、142人が死亡か行方不明になりました。素早く予報することは、なかなかむずかしいのです。

 「津波予報を3分以内に」と気象庁が改善を打ち出したのは、94年です。全国に約60キロから70キロ間隔で地震計を整備し、早期検知網をつくりました。10万通りの地震を想定して、津波の高さと到達時間をあらかじめ計算。実際に発生した地震に最も近いものを探して、発表するやり方でチャレンジ。それでも予報発表まで最短で4分かかりました。

速さは限界、直下型では困難
いち早く逃げる心構え必要

 今回の「2分以内」にめどをつけたのが、緊急地震速報のスタートです。これは、地震の大きな揺れを知らせる情報のこと。

 地震ではたいてい、大きな揺れ(S波)と小さな揺れ(P波)が起きます。小さな揺れは初期微動とも言って、大きな揺れより速く到達するので、これをとらえて地震の規模や震度を数秒で予測します。誤差もあるけれど、今年8月以降に出た速報は、大きな揺れの数秒から十数秒前に的中しました。

 今はまだ普通のラジオやテレビでは速報を流さず、鉄道や病院に知らせています。まずは、列車のスピードを抑えるなどして、被害を防ごうというわけです。国民に広く情報が届くようにすることも気象庁は考えていて、情報の出し方をこれから検討するそうです。

 この速報を出すために約220か所に整備された「ナウキャスト地震計」は、沿岸から約100キロ以内の地震ではとくに正確に予報できることが確かめられました。

 ただ、予報発表が「2分以内」までくると、速くすることは、もう限界に近づいています。緊急地震速報も、直下型地震の震源近くでは速報が間に合わないとも言われていて、気象庁などの情報に頼っているだけでは被害を防ぎ切れません。地震や津波に対しては、「少しでも早く逃げる」という気持ちが今も重要です。

(高橋 俊一・ジャーナリスト)

2006年10月8日


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