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 サウジ新国王誕生で今後はどうなる?
 ファハド前国王が死去

 批判ある親米路線は継承か
 アラブ・イスラム世界で強い発言力を持つサウジアラビアのファハド・ビン・アブドルアジズ国王が死去し、異母弟のアブドラ皇太子が新国王に就きました。新国王は、ファハド氏が95年に脳卒中で倒れた後から実務を取り仕切っていました。米国寄りの外交・石油政策は変わりがないとみられていますが、親米政策のありようや、次々とテロを起こすイスラム過激派対策などでのかじ取りに、注目が集まっています。

 サウジアラビアは、「サウド家のアラビア」を意味しており、いまなお王政が続く国です。国王は、世界最大の産油国の最高指導者であり、メッカとメディナというイスラム教の「2大聖地の守護者」です。1日に死去したファハド国王の即位は1982年で、在位は20年以上にわたりました。
 イラクのクウェート侵攻から始まった湾岸危機で米軍中心の多国籍軍を受け入れたり、2003年のイラク戦争中には原油を米国に緊急輸出したりしました。

 こうした親米路線は、「異教徒」の軍隊に厳しい目を向けるイスラム保守派や強硬派の反発を招き、王政への批判も噴出しました。批判を強権的に抑えたことも、イスラム過激派を結束させることになり、テロの素地になっています。米同時多発テロでは、首謀者とされるオサマ・ビンラディン容疑者がサウジ出身のうえ、実行犯19人のうち15人がサウジ人でした。続発するイスラム過激派によるテロ対策や、民主化を求める国際社会の圧力は高まっています。

 イラク情勢でテロ対策課題
 政情の不安定化は原油価格に大きな影響を与えるため、エネルギー資源に乏しい日本にとっても、よそ事ではありません。
 サウジは原油の輸出収入を増やして高福祉を実現し、国民が生活苦に陥ることはありませんでした。頼りの原油価格は、今後とも高値維持をはかるとみられます。とはいえ、製造業への外資導入などの政策の効果は乏しく、これといった新産業が見いだせないまま人口が増加して、失業率は8%台に上昇しました。王政の腐敗問題とともに国民に不満がくすぶっています。

 新国王は、ブッシュ大統領から、米テキサス州にある自宅農場に招かれるほど親密な関係ですが、サウジの若者には、「反米聖戦」のためイラクに向かう流れもあります。イラク情勢が悪化すれば国内を不安定にしかねません。課題は山積しています。

 サウジ王族の年齢は定かではありませんが、新旧国王、新皇太子(前国王の弟)はいずれも80歳前後と高齢です。王位の継承者は、初代アブドルアジズの直系男子と定められ、約40人いるという初代国王の息子の間で行われてきたからです。

 このため、国民の関心はアブドラ国王の「次の次」、つまり初代国王の「孫世代」に向かっています。新皇太子の息子らの名前も、はやあがり始めています。欧米で教育を受けるなど海外経験が豊富で、国際社会との協調路線を取るとみられる「孫世代」ですが、現在と同様、国内外の難問にどう向き合うのかはまだ見通せません。

 (青田 秀樹・朝日新聞外報部)

2005年8月14日


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