こどもアサヒ > ニュースドンとこい! > ニュースドンとこい!過去一覧

女性・女系天皇は認められるか注目

 首相の検討会で意見対立
 皇室典範は「男系の男子」に

女性天皇を認めるかどうか、議論になっています。小泉首相が設けた検討会が先月末、中間報告を公にしましたが、メンバーの間で意見の対立があります。
 だれが次の天皇になるかというルールについて、憲法は「世襲」と定めるだけで、細かな点は「国会が議決した皇室典範」にゆだねています。そして、皇室典範は皇位の継承を「男系の男子」に限っています。父方が天皇の血筋である男性しか、天皇の地位にはつけないわけです。

 なぜ、いま女性天皇が問題となっているのでしょうか。その背景には、秋篠宮さま(皇太子さまの弟)以来四十年間、皇室に男子が生まれていないという事情があります。このままでは将来、皇位を継ぐ人がいなくなる恐れもあります。
 さらに、この議論に関心が集まっているのは、具体的な「世継ぎ問題」に直結しているからでしょう。皇太子ご夫妻には敬宮愛子さまが生まれていますが、女性天皇を認めれば、愛子さまが天皇になる道が開けます。認めなければ、愛子さまは天皇にはなれません。

 女性に選挙権がなく、妻は夫の許しがなければ契約も結べなかった明治憲法下ならともかく、男女平等が当然の理とされ、女性の社会進出が定着しつつある現代社会において、女性天皇の実現は自然の流れです。一月の朝日新聞の世論調査では、「女性も天皇になれるようにした方がよい」と思う人が八六%にも達しました。自民党や民主党など、主要政党も何らかの形で女性天皇を認める方針を打ち出しています。   

欧州はほとんどの国が容認
日本の歴史上でも8人実在

 海外でも「女帝」容認が潮流です。欧州の立憲君主国では認める国がほとんどで、「男のみ」をうたうのはリヒテンシュタインくらいです。アジアの王室でも、タイのように男性を優先とした上で「女性も可」という国があります。
 伝統を重視する立場にたったとしても、飛鳥時代、奈良時代、江戸時代に八人の女性天皇が実在した先例があります。聖徳太子を摂政として登用し、隋に使節を送った推古天皇を知っている人も多いでしょう。女性天皇を完全に否定した明治以降の制度の方が、長い皇室の歴史の中ではむしろ異例だともいえます。

 明治憲法下の皇室典範は皇室の家法とされ、その改正について帝国議会は一切口出しできませんでした。現在の皇室典範は法律の一種で、国会が自由に定めてよいことになっています。天皇の地位は「主権の存する日本国民の総意に基づく」(憲法一条)のですから、当然のことです。
 そうだとすれば、一番大事なのは国民の意思です。皇室典範の規定もできるだけ現在の国民の価値観を反映したものに改めていく必要があるでしょう。

 女性である愛子さまが将来、即位したら、あなたは違和感がありますか。愛子さまが皇室以外の男性と結婚し、その子どもが天皇になったら、母方が天皇の血筋である「女系天皇」が誕生することになりますが、慎重派の人たちが言うように天皇の正当性に疑いが生じるでしょうか。みなさんはどう判断しますか。

(久保谷 洋・ジャーナリスト)

2005年8月7日


朝日学生新聞社のホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての著作権は朝日学生新聞社に帰属します