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日韓首脳に友好ムード消えたのは?

3回目の「シャトル」会談
 
意見交換のみで乏しい成果

  「率直に意見交換をしたが合意には達していない」
 ソウルで六月二十日に開かれた日韓首脳会談が終わった後の記者会見で、韓国の盧武鉉大統領は、話し合いの結果について、こう説明しました。隣にいた小泉首相は、いつもの「クールビズ」という夏の軽装ではなく、ネクタイとスーツ姿で厳しい顔つきで聴いていました。
 両国の首脳は昨年から、互いの保養地でネクタイなしの楽な格好で率直な意見を言い合う「シャトル会談」を始めました。昨年七月の韓国・済州島と、同十二月の鹿児島・指宿での二回の会談は、二人ともノーネクタイ姿でにこやかに話し合っていました。
 今回は、日本と韓国が国交正常化の条約を結んでから四十周年の記念の会談になるはずでした。ところが開かれたのはこれまでのような保養地ではなくソウルの大統領府。韓国の新聞は「はしを持つのも重そうだった夕食会」と表現するなど、否定的なトーンが目立ちました。

 

会議前には笑顔で手を取りあった盧武鉉大統領(右)と小泉首相でしたが…=6月20日、韓国・ソウル市内で

靖国神社参拝問題がネック
 お互い歩み寄らず外交滞る
  なぜわずか半年余りで雰囲気ががらりと変わったのでしょうか。
 きっかけは、両国が「自分の領土だ」と主張している日本海に浮かぶ小さな島・竹島(韓国名・独島)でした。島根県議会で今年二月、「竹島を日本の領土として支配する権利を早く確立させる」ことなどを求める「竹島の日」条例案が提出されたことに対して、韓国国内で強い反発が起きました。百年前に日本が島根県の一部とした竹島は、日本の植民地支配の始まり、とみる韓国人は少なくないからです。
 さらに小泉首相が靖国神社への参拝を続けると表明していることも追い打ちをかけています。韓国や中国は、戦争指導者だったA級戦犯を神社に一緒にまつっていることから、「侵略戦争が正しかったと認めることになる」と、首相の参拝には強く反対しています。
 このため、日本側はA級戦犯を分けてまつり、無宗教の国立追悼施設をつくることを検討してきました。会談の合意事項としても、新たな追悼施設の建設を検討することが盛り込まれました。
 しかし、小泉首相も新たな追悼施設について、「どのような施設が仮に建設されるにしても、靖国神社がなくなるもんじゃない」と言っています。靖国神社参拝を続ける限りは解決はしないでしょう。
 外交は「カードゲーム」にたとえられることがあります。互いに持っているカードを一枚ずつ切りながら、駆け引きをするのが外交の交渉に似ているからです。
 ところが、小泉首相は靖国参拝を「心の問題」として他国の批判を聞き入れようとしていません。韓国側も歴史にこだわりすぎるあまり、解決策を見いだそうという意欲が強いとはいえません。双方ともカードを出ししぶったまま、ゲームが始められないようにすら感じます。
 韓国のドラマや音楽などが日本で大流行している「韓流ブーム」は冷める気配はありません。両国を行き来する人は日に一万人を超えました。政治の冷え込みが、せっかく実り始めた市民の交流に水を差すようなことにならないことを願っています。

 (峯村 健司・朝日新聞外報部)

2005年7月03日


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