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橋の工事談合で14人を逮捕
メーカー47社が秘密の組織
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| 談合の秘密組織「K会」に加盟する横河ブリッジの家宅捜索を終え、押収物を運び出す検察当局の係官=5月23日、東京都港区で |
東京高等検察庁は先月、国が注文を出した鋼鉄製の大きな橋(橋梁・きょうりょう)の工事で談合をしていたとして、十一社の営業担当十四人を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで逮捕しました。
国や地方自治体、道路公団のような特殊法人が発注する工事は、一定の資格を持つ業者ならだれでも自由に参加できる「一般競争入札」によるのが原則です。実際には官庁に指名された業者だけが参加できる「指名競争入札」も少なくないのですが、どちらも参加者を競わせ、発注者にとって最も有利な条件を出した業者と契約する点では同一です。談合とはこのような入札の精神に反し、業者が事前に相談し、落札者を決めておくことを言います。
今回の事件では、橋梁メーカー四十七社は「K会」「A会」と呼ばれる秘密組織を結成。国土交通省がこの二年間に発注した橋梁工事で、受注企業をあらかじめ幹事が決めた上で、他社はわざと高い価格で入札した疑いが持たれています。
このほかにも、日本道路公団発注の工事や、東京都など、地方自治体発注の工事でも疑惑が指摘されています。検察当局は談合組織のメンバーだった四十七社を一斉捜索し、事件の全容解明を急いでいます
税金のむだ遣い、政治腐敗に
そもそも談合はなぜ、悪いのでしょうか。
第一に公金のむだ遣いだからです。公正取引委員会によると、談合で立ち入り検査すると、平均で一八%落札価格が下がったそうです。言い換えると、談合によって契約金が二割近く跳ね上がっていたわけです。鋼鉄製橋梁の市場規模は年間三千五百億円ですから、この数字を当てはめると、業界は一年に六百億円もの不当な利益を手にしていた計算になります。
お金の大元は国民が支払う税金や道路料金です。こんなずさんな使い方をされてはたまりません。
第二に、革新的な技術やコストダウンの意欲を持った企業が締め出されるからです。談合では、過去の受注実績を元に仕事の配分を決めるので、新規参入は非常に不利です。どっちにしても仕事をもらえるのならば、新技術にお金をかける企業は少なくなり、社会は停滞するでしょう。
第三に政界や官界と経済界を癒着させ、政治腐敗の原因となるからです。企業に入った不当な利益の一部は「政治献金」として政党や政治家に流れ、官界に顔がきく高級官僚を社員として迎え入れるための費用に使われていると指摘されています。
「ほとんどすべての入札は談合であり、しかも、かなりの談合は発注者がかかわる『官製談合』だ」と言い切る専門家もいるほどです。発注者が市なら、市の幹部が音頭をとっているというのです。信じられないかもしれませんが、このような見方は長く警察・検察を取材してきた私の実感とも一致するところがあります。
談合が繰り返されるのは制裁が軽いからでしょう。課徴金の額を例にとると、大企業で受注額の六%(来年施行予定の改正法でも一〇%)にすぎず、運悪く摘発されることを勘定に入れても、談合した方がもうかるのです。発覚したら倒産に追い込まれるくらいの厳しい措置が必要です。
(久保谷 洋・ジャーナリスト)
2005年6月12日
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