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常任理事国の拡大が焦点
現在、拒否権ある5大国に力
世界の191か国が入っている国際連合(国連、本部・米国ニューヨーク)の中には、経済発展や裁判など、いろんな目的に合わせた機関があります。「安全保障理事会」(安保理・あんぽり)は、世界の平和を守る方法を話し合う組織です。この理事国メンバーのあり方が、早ければ今年夏に見直されることになり、議論が大づめに入っています。
安保理の理事国は現在、15か国あります。このうち米国、英国、ロシア、フランス、中国の5か国が、いつも理事国を務める「常任理事国」です。ほかに任期2年の「非常任理事国」が10か国、地理的なバランスなどを考えて選ばれています。安保理が大切な決議をするときは、少なくても九か国の理事国が賛成しなければなりません。
ところがどれだけ多くの理事国が賛成したとしても、常任理事国が1か国でも反対したら、その決議は通りません。これが常任理事国だけが持っている「拒否権」です。核兵器も持つ5つの大国が、それぞれの考えや利益によって国連全体の決定を左右できるいまのしくみに不満をもつ加盟国は、少なくありません。
国連は第2次世界大戦後の1945年、51か国で発足しました。その戦争に敗戦した日本は11年後の五六年に加盟を許されました。その後、高い経済成長を背景に、日本が国連の活動のために支払う金額は米国に続く2位になっていて、分担率は19%を超えています。このため「日本の貢献はもっと評価されるべきだ」といった意見も国内には出ています。
日本も常任理入りを目指す
世界が抱える問題にきちんと対応できるよう「国連改革」を加盟国に呼びかけたコフィ・アナン事務総長は、安保理の改革を最大の柱だと考えています。核
・生物・化学兵器などの大量破壊兵器やテロなどが深刻さを増しているからです。
具体的に検討されているのは、理事国をいまの15か国から24か国に増やし、その中でも常任理事国をさらに6か国増やす案などです。いずれにしても、現在の5か国以外には拒否権は認めない案が有力です。
日本は「常任理事国になりたい」と正式に表明しています。同じように常任理事国入りを目指すドイツ、ブラジル、インドとともにほかの加盟国に賛成してもらえるよう働きかけているところです。
しかし、同じアジアの中国や韓国は日本が常任理事国になることには否定的です。第2次世界大戦時の日本軍の行為やその後の謝罪、戦争の歴史のとらえ方など日本政府の対応に対する不満が背景にあります。また、日本・ドイツなど四か国の動きに対抗するイタリア、パキスタン、メキシコなどは常任理事国の拡大に反対し、非常任理事国だけを増やす案を唱えています。
国連安保理は人間が世界のどこにいても平和で安心して暮らしていくためにとても大切な機関です。日本が常任理事国になるかどうかだけでなく、各国が自国の損得を超えて世界平和を話し合う組織としてどんな形がふさわしいのか、広い議論が必要です。
(井田香奈子・朝日新聞外報部)
2005年6月5日
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