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| 株の争奪戦が繰り広げられているニッポン放送=東京・有楽町で |
認めれば「たいへん不公正」
経営は株主側が判断すべき
ライブドアとフジテレビによるニッポン放送株の奪い合いは、ひとまずライブドアに軍配が上がりました。ニッポン放送がもくろんだ新株予約権の発行計画に、十一日、東京地裁が「待った」をかけたのです。同放送の買収をめぐる初の司法判断です。
「ニッポン放送の株は現在三千二百八十万株。これに、フジが必ず買うという予約付きの株を新しく最大四千七百二十万株発行し、総株数を八千万株へと増やせば、現在三六・四七%を占めているフジの保有率を七四%に増やせる」
こうした計画そのものが法的に許されるのかどうか\\。裁判所に判断がゆだねられていたのは、まさに、その点でした。
東京地裁は十一日、「こんな計画は不公正」とするライブドアの主張を認め、フジへの新株予約権の発行を差し止める仮処分を出しました。二十四日までに裁判所の決定がかわらなければ、ニッポン放送は新株を発行できません。ニッポン放送はこの処分に不満で、高裁などで争う構えですが、「フジの子会社になりたい」という今の経営者たちの計画は白紙に戻さなくてはならなくなりそうです。
裁判所の判断に見られる最大のポイントは、「会社はだれのものか」を示した点でしょう。裁判所は「ライブドアがニッポン放送の支配権を握っても、ニッポン放送の『会社』としての価値は下がらない」と判断したうえで、「いまの経営陣かそれともライブドアか、どちらの経営に会社をゆだねるかは、株主の側が判断すべきこと」との考えを示しました。
ニッポン放送の経営者たちは、新株発行で集める金は新しくスタジオをつくるためだ、などと説明していました。しかし、本当の狙いが「ライブドアの支配力を薄め、フジ・サンケイグループに残る」ことにあるのは明らかです。裁判所は、計画を認めれば「経営者が株主を選ぶ」ことを認めることになり、「たいへん不公正」と結論づけたのです。
また、こうした方法が認められれば、企業買収については、それまでの経営陣がいつも有利となってしまい、だれも新しく企業を買収できなくなってしまいます。
「買い増し進める」堀江社長
子会社株売却など攻防続く
国際化が進み、日本企業も買収の波にさらされています。日本ではこれまで企業買収についての判決は少なかったのですが、今回の判決は、会社や株主、証券市場のありかたを考え直すよい機会でしょう。
ライブドアの堀江貴文社長は、判決後の記者会見で、「今後も株式市場でニッポン放送の株を買い進めていく」方針を明らかにしました。同社のニッポン放送株の保有率が五〇%を超えれば、六月に開かれる同放送の株主総会にライブドアから役員を出せます。現在の同放送の役員十九人全員が今度の六月で任期を迎えるため、全員を派遣することも可能です。
ニッポン放送は十四日、同放送の主要な子会社で音楽や映像ソフトを販売しているポニーキャニオンの株をフジに売ることを明らかにしました。ニッポン放送の企業価値を自ら落として、買収する魅力を減らそう、という作戦のようです。実施されればライブドア側が「会社に損害を与えた」と、同放送の役員を株主代表訴訟で訴える可能性もあり、双方の戦いはまだまだ続きそうです。
(斎藤 智子・朝日新聞記者)
2005年3月20日
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