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中東和平 停戦宣言で協議再開なるか
4年4か月ぶりに首脳会談

  アッバス議長の誕生で実現

 イスラエルのシャロン首相とパレスチナ自治政府のアッバス議長が今月八日に会談し、それぞれが停戦を宣言しました。長く続いた暴力の応酬が本当に止まるのか。そして、これがパレスチナが独立し2つの国家として共存を目指す契機になるのか。世界中の注目が集まっています。
 イスラエルとパレスチナ首脳の会談は2000年10月以来、4年4か月ぶりのことでした。その間、パレスチナ過激派による自爆テロや、イスラエル軍によるテロリスト掃討を名目にした難民キャンプへの攻撃などで、イスラエル、パレスチナ双方の死者は5千人近くに上りました。まさに血で血を洗う悲劇が繰り返されてきたのです。
 今回の首脳会談が実現したきっかけは、パレスチナ自治政府の一番の実力者だったアラファト議長の死去(昨年11月)でした。シャロン首相はアラファト議長を敵視し、交渉相手にしないと宣言していました。アッバス氏は自治政府の首相としてシャロン首相と会談したことがありますが、当時はアラファト議長が絶大な権力を握っていたため、大事なことを決めたり実行したりする権限がなく、本当の首脳会談とはいえませんでした。シャロン首相はアラファト氏に代わる自治政府の指導者としてアッバス氏が議長に就任するのを待っていたのかもしれません。
 また、この4年4か月の間、多数の犠牲者を出し、「もう戦闘はいやだ」との思いが双方に広まっていたことや、二期目を迎えた米国のブッシュ大統領が後押ししたことも首脳会談実現の要因にあげられます。
 会談で宣言された停戦の約束を双方がしっかり守ることができれば、パレスチナの独立に向けた協議再開につながるのではないかとの期待もふくらんでいます。

パレスチナ独立計画は中断
暴力の応酬を止める難しさ

 パレスチナ自治政府は現在、ヨルダン川西岸とガザ地区と呼ばれる地域の一部で「国家」に似た政治を行っています。しかし、権限には大きな制約があり、パレスチナの人々にとって大きな目標は、領土と主権をもった普通の国家として独立することです。
 国連や米国などによる「ロードマップ」と呼ばれるパレスチナ国家をつくるための計画がすでにあります。計画に基づいた話し合いがいったんは始められましたが、双方の暴力で現在、中断したままです。ロードマップによる交渉再開が次の課題となります。
 首脳会談の後も銃撃事件などが起き、犠牲者が出ています。今回もパレスチナ過激派の一部が、停戦に応じないと主張しています。暴力の悪循環を止めることは、けっして容易なことではありません。
 さらに、パレスチナ独立の話し合いが始まれば、イスラエルが占領している土地をどこまで返還して、双方の領土を確定するのか、聖地エルサレムの管理をどうするかなど、難問は山積しています。

(小森 保良・朝日新聞外報部)
2005年2月27日


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