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結婚して皇籍を離れる
選挙で投票、立候補もOKに
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結婚式翌日、皇居を訪れる黒田慶樹さん、清子さん夫妻=16日
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天皇陛下の長女、紀宮清子さま(36)と東京都職員の黒田慶樹さん(40)の結婚式が、東京都千代田区の帝国ホテルで行われました。天皇の娘である皇女が普通の市民(国民)である黒田さんと結婚したのです。紀宮さまは皇族の立場を離れ、主婦「黒田清子さん」として新しくスタートしました。
紀宮さまはこれまで、宮内庁が保管する「皇族譜」に登録されていました。わたしたちの「戸籍」にあたるものです。結婚式当日の十五日、婚姻届が東京都内の区役所に出されました。黒田さん夫妻の新しい家があるところです。紀宮さまは「皇族譜」から外れて、黒田清子さんになりました。これを「皇籍離脱」といいます。
女性皇族が結婚する場合だけではありません。「やむを得ない特別の事情」があるときも、皇室会議で認められれば、皇族の立場を離れることができます。皇族の奥さんが「離婚したとき」も離れられます。天皇や皇太子は対象外です。
こうして皇籍離脱によって専業主婦としてスタートした「黒田清子さん」には、元皇族ということでの法律上の制限は特にありません。新しく選挙権を得ました。ただ、選挙人名簿に載るには三か月以上住んでいることが必要なため、実際に投票できるのは来年二月以降です。被選挙権といって、立候補することもできます。
年金にも入れます。国民年金は、普通なら年金の保険料を収めていない「未納」期間が十五年以上の人には受け取る資格がありません。しかし、強制加入の対象でない皇族は未納者ではないので、清子さんは受け取る資格を得ることができます。
普通の人になる娘へ母の愛
女性皇族の離脱、今後は?
要するに、普通の人になるということです。当たり前のようですが、生まれてからずっと皇族として暮らしてきた清子さんには大変なことです。これまでは周りにいる宮内庁職員らがやっていたこと、手伝ってくれたことも、たいてい自分でこなさなければなりません。掃除、買い物、料理など、一つずつ慣れていくのには相当な努力がいります。新生活への不安は、大きいはずです。
古い映画ですけど、有名な『ローマの休日』を見た人は多いでしょう。あれはオードリー・ヘプバーン演じる王女さまが一人、街に飛び出して繰り広げる冒険の物語でした。あの時の王女さまの戸惑いを、清子さんは実際に、それも一日や二日ではなく、これからの長い人生で多分ずっと体験していかなければなりません。結婚式当日の朝、お母さんである皇后さまは別れのあいさつに来た清子さん(紀宮さま)をしっかりと抱きしめて「大丈夫よ」と励まされたそうです。皇族とか一般市民とかを超えた母と娘の心温まるシーンでした。
いま、女性の皇族にも天皇になることを認めるかどうか議論が行われています。もし、認められれば、女性皇族は結婚後も皇室にとどまる見通しといいます。清子さんは「皇籍離脱」した、最後の女性皇族になるかもしれません。
(高橋 俊一・朝日新聞記者)
2005年11月27日
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