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消費者が気にする米国産牛肉輸入再開

日米で違う安全の基準
日本は2つの条件を求める

スーパーの肉売り場(左)=東京・イトーヨーカドー大井町店で韓国ソウルの百貨店のキムチ売り場。キムチの安全性が揺らいでいます(右)

 牛肉好き? キムチはどう? これからも安心して食べられるといいですね。

 みんなが食べる食料の六割を日本は外国から輸入しています。国によって食品安全の基準が違うから、食べて安全かどうか、細心の注意が必要です。

 いま、韓国と中国との間で「キムチ戦争」が起きています。韓国が先月、中国産キムチから寄生虫の卵が見つかったと輸入を制限。中国の方も韓国産キムチを調べてみると、寄生虫の卵を発見。輸入禁止に。

 韓国は「そんなはずはない」と自国産キムチの約五百品目を調べたら、十六社の製品から卵が見つかりました。白菜畑の肥料が原因とか。韓国政府は「食べても人体に影響はない」と言っているけれど、一部は日本にも輸出されていました。

 日本ではいま、米国産牛肉の輸入再開が問題です。

 「牛丼」でもおなじみの米国産牛肉は二年前に、米国で牛海綿状脳症(BSE)の牛が見つかり、日本は輸入を全面禁止しました。先月末、日本の食品安全委員会は、二つの条件が守られれば、米国産牛と日本産牛との「リスクの差は非常に少ない」という結論を出し、来月にも輸入再開の見通しになりました。

 日本が出した二つの条件とは、第一に日本へ輸出する牛肉は、生後二十か月以下のものに限ること。二十か月では、BSEの原因物質である異常なたんぱく質「プリオン」が、まだ牛にたまりにくいからです。

 第二にプリオンがたまる脳や脊髄の危険部位を取り除くこと。二十か月以下の牛でも危険部位を除去して日本に輸出する条件です。




検査や処理の徹底が必要に

  BSEは人間に感染する怖い病気です。日本では四年前、初めてBSE感染牛が発見され、以後、牛がいつ、どこで生まれ育ったかなどを記録したタグが一頭ずつにつけられ、食肉処理の際にも、一頭ずつBSE検査が義務化されました。感染した牛肉が絶対に食卓に上らない仕組みです。

 日本は米国にこの「全頭検査」を要求しましたが、米国は拒否しています。食肉処理される牛は年間三千六百万頭。日本の約三十倍です。費用と時間的にも無理で合理性もないという主張です。かわりに、歩行困難など疑わしい牛を集中的に検査して、感染の広がりを推定します。今年春、感染の可能性がある三十五万頭を検査し、感染牛がいなかったため、米国にはBSE感染牛はゼロ、との結論を出しました。

 飼料用に、牛の臓器や骨からつくられた「肉骨粉」も心配です。日本は肉骨粉がBSE感染の原因とみて、全面禁止しましたが、米国は牛には禁止する一方、ブタや鶏には認めています。農家で牛の餌に混じらないといいのですが。

 また米国では牛の生年月日の記録が完全でなく、肉質を見て「生後二十か月」を判断するといいます。

 そして米国からは早くも、生後三十か月以下の牛も輸入を認めよ、との要求が出ています。

 お母さんたちは浮かぬ顔です。最近の世論調査では、日本の消費者の約七割が「再開されても食べたくない」と答えています。キムチも気になるけど、米国産牛も米国でよほどしっかり検査、処理してくれないと、「いただきまーす」とは言いにくいですね。




  (遠藤 正武・ジャーナリスト)

2005年11月13日


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