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前回は北朝鮮が核放棄宣言
見返りの原発事業再開検討
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前回の第4回6者協議で初の共同声明を採択し、握手する米国(左端)と北朝鮮(中央)の代表。右端は外務省の佐々江アジア大洋州局長=9月19日、中国・北京で、代表撮影
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国を守るためだといって核兵器の開発を進めてきた北朝鮮が九月、六者協議という話し合いの場で、すべての核兵器と核計画を放棄すると宣言しました。長く続いてきた朝鮮半島の核危機を解決する糸口になると期待されています。
北朝鮮がひそかに核兵器を開発しているのではないか、との疑惑が最初に持ち上がったのは一九九〇年代前半です。核技術は、原発という形で平和的に使えますが、一方で広島・長崎に落とされた原爆のように兵器を作る技術にもなるため、国際原子力機関(IAEA)が各国の核施設に定期的に立ち入り、おかしな使い方をしていないか監視しています。
北朝鮮は自国の原子炉への立ち入り検査を拒否したため問題になりました。九四年に北朝鮮が問題の原子炉を凍結するかわりに、日本やアメリカなどが平和目的の利用に限った原発を提供する「枠組み合意」ができ、一時、緊張は解けました。しかし二〇〇二年になって再び核開発の疑惑が生まれ、国際社会は「合意を破った」として、見返りだった原発事業を中断しました。これに北朝鮮は腹を立て、凍結していた原子炉を再び動かし、ついには「核兵器を持っている」とまで宣言したのです。
六者協議のメンバーは、日本、アメリカ、ロシア、中国、韓国と北朝鮮。北朝鮮問題で影響を受ける国々が集まり、いっしょに解決の方法を探る場です。九月に行われたのは、その四回目の協議です。核放棄の見返りとして、昔の「枠組み合意」で約束された原発事業の再開を話し合うことが決まりました。
「原発が先」の主張 どう対応
日本には拉致問題の追及も
なぜ北朝鮮が急に態度を変えたのか。国内の食糧不足が深刻になる中で、北朝鮮の支配政党である朝鮮労働党は十月に創立六十年を迎えました。節目の機会に、「われわれががんばって国際社会の支援を勝ち取った」と国民向けに宣伝できる材料がほしかったのかもしれません。
もっとも、これで一件落着ではありません。北朝鮮は「原発をくれれば核を放棄する」といい出し、「核を放棄すれば原発の話を始める」とするほかの五か国とくい違っています。今月、次の六者協議が開かれますが、このくい違いをどう埋めるかが焦点になります。
もう一つ、日本にとっては拉致問題との関係も大事な問題です。北朝鮮は日本で行方不明になった人のうち何人かを連れ去ったことを認めましたが、北朝鮮が認めない拉致被害者もまだいます。国内には「この問題が進展しないうちに、北朝鮮に原発提供などの経済支援を進めるのはおかしい」という声もあります。
日本としては、拉致問題で北朝鮮に強く解決を求めつづけなければいけませんが、拉致問題がこじれ、やっと国際的な協議の場に出てきた北朝鮮が再び背を向けるようなことになれば、かんじんの核問題の行方も危うくなります。これから日本が北朝鮮とどう付き合うかという問題は、そんな難しいバランスの上に立っているのです。
(堀内 隆・朝日新聞外報部)
2005年11月06日
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