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タイガース、株式上場したらどうなるの

ファンも株を買えば所有者
筆頭株主の村上(さん)が提案

村上世彰さん

 プロ野球は好き? ひょっとして阪神ファン? いや、そうでなくても、将来、阪神タイガースの「株主」になって、自分の意見をタイガースに反映させることができるかも。これからの交渉次第ですが、「ファンの一人」が「タイガースの所有者の一人」にかわるかもしれないんですよ。


 大人もびっくり。こんな阪神タイガースの株式上場案を今月、村上ファンドを率いる村上世彰さん(46)が阪神タイガースの親会社、阪神電気鉄道に突きつけました。村上ファンドは、投資家から巨額のお金を集めて、利益の出そうなところに投資し、もうけを投資家に分配するグループです。


 村上さんは、タイガースを所有している阪神電鉄の株式の約四〇%を一気に買い占めて、一番の株主に躍り出ました。阪神電鉄が発行する約四億二千万株のうちの約一億七千万株。かかった資金は約一千億円。大変なお金ですね。


 世の中の会社の多くは株式会社です。株を発行して資金を集め、それをもとに会社を経営します。一株五十円で一億株発行すれば、五十億円集まります。みんなが買ってくれればの話ですよ。この会社は将来性があると人気が出れば株価は上がる。一株百円になると、会社の「価値」は倍になり、五十円で買った株主は売ればもうかる。いろんな会社の株が東京、大阪などの証券取引所で売買されています。


買い占めや投機対象の恐れ

阪神電鉄の資産の代表である甲子園球場

 阪神タイガース株が上場されると、証券取引所で売買されます。人気球団ですから高い値段がついて、村上ファンドにも多額のお金が入り、投資家もほくほく、というもくろみです。


 ここで大切な点はタイガースが、阪神電鉄のものから、株を買ってタイガースに資金を出す株主のものにかわることです。


 いま、ファンや外部の人は、タイガースの球団経営に口出しできません。例えば古くなった本拠地・甲子園球場の改築とか、入場料の変更とか、あるいは有力選手の補強とか……気をもんでもどうにもならない。


 株式が上場されると一変します。一株だけのファンでも、株主として注文をつける権利があります。何しろタイガースはもう株主のものですから。


 タイガースは資金が豊富になり、その使い道もきちんと公開されます。これまで、日本のプロ野球チームはそれぞれ親会社のもので、お金の流れにも不透明なところがありました。


 しかし、いいことばかりではありません。株を買い占められ、タイガースが乗っ取られるかもしれない。現に英国のプロ・サッカーチームの株が米国の大富豪に買い占められ、大騒ぎになったばかりです。


 「ホリエモン」(ライブドアの堀江貴文さん)がニッポン放送株を買い占め、村上さんがこんど阪神電鉄株を買い占めたように、同じことはいつでも起こりえます。


 タイガースの勝ち負けで株価が上下しそうです。監督交代とか選手の補強情報だけで株価が動くかもしれない。タイガース株がもっぱら投機の対象になってしまう心配もあります。


 日本のプロ野球で株式上場した球団は過去にありません。プロ野球界がより近代的になる一歩なのか、投機の対象になるだけなのか。大人たちはとまどっています。どうなるのでしょう。

  (遠藤正武・ジャーナリスト)

2005年10月16日


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