| 津波の備え不十分、被害拡大
スマトラ島沖で起きた大地震と津波によって、アジアやアフリカの国々に大きな被害が出ています。津波は、インドネシアをはじめタイ、スリランカ、インドなどインド洋に面した13の国の海岸に押し寄せ、16万人を超える人々が亡くなりました。
けがをしたり家を失ったりした被災者は500万人に達する可能性があります。タイのプーケット島などの観光地にいた日本人20人以上の死亡が確認されました。欧米の旅行者も亡くなっています。欧州ではスウェーデン、ドイツ、オーストリアなどで計二百人あまりの死亡が確認され、約4千〜6千人が行方不明になっています。米国は六日の時点で約2600件の安否確認ができていません。
インド洋に面した国々はもともと貧しい開発途上国で、津波に対する備えは十分ではありませんでした。たとえば大地震の後、津波が起きる可能性を人々に知らせる手段が整備されていません。海岸に大きな堤防はあまりありません。高さ10メートルを超えることもある津波の怖さが知られておらず、珍しがってわざわざ見に行った人が、津波にのまれた例もあります。
国連を調整役にして復興へ
日本の災害経験を生かして
日本をはじめ国連や欧米などから派遣された救援部隊が、けが人の治療や行方不明者の捜索、壊れた建物の後片づけなどをしています。米国は救援活動に1万4千人の軍を送りました。被災地では多くの人が住む場所を失い、水や食糧が届かなくなっています。国連世界食糧計画(WFP)によると、食糧の援助を必要とする人は200万人にのぼりますが、悪天候や交通事情の悪さで、実際に物資が届いたのは11日現在約半数にとどまるそうです。
現地は日本の真夏ほどの暑さで、遺体はすぐに腐ります。水道はもともと整備されていない地域がほとんどです。井戸が壊れて井戸水が使えなくなったり、水がばい菌で汚染されたりしています。感染症の広がりも心配されています。
小泉首相は6日にインドネシアのジャカルタで開かれた緊急首脳会議で、被災国や国際機関に五億戟i約五百億円)を援助することを明らかにしました。11日までに60数か国・地域、機関が総額約50億ドルの支援を表明しています。復興に5〜10年かかるとみられる大災害だけに、国連が世界規模の支援の調整役を引き受けることになりました。インド洋沿岸に、津波の早期警戒システムをつくることも首脳会議で宣言されました。
津波のことは、英語でも「ツナミ」と日本語が使われています。地震の多い日本は、津波や地震の被害にどう対応したらいいかという経験や知識も豊かです。日本はアジアの一員であり、普段からアジアの国々との友好を外交の目標の一つとしています。日本の経験を生かし、被災国の支援に力を注いでほしいと思います。
(桜井 泉・朝日新聞外報部)
(2005年1月16日)
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