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05年度予算で暮らしはどうなる?
通常国会提出、財政再建へ

 三位一体改革で支出が減る

 2005年度の政府予算案が決まりました。総額82兆1829億円で、2004年度とほぼ横ばいです。収入は、企業の業績が回復したおかげで税金収入が5.4%増え、44兆70億円になりました。国の借金「国債」の新規発行は6%減り、34兆3900億円となったことで、赤字の拡大ペースが鈍くなりました。支出面では、小泉政権の改革のキーワードとなった「三位一体改革」の結果、国が地方自治体に渡す補助金を約1兆4000億円減らすことに成功しました。年金保険料を引き上げるなどで国民の負担もやや増やし、財政建て直しへ向けて、一歩、踏み出しています。

 政府予算案は昨年12月24日の閣議で決定されました。今月開かれる通常国会に提出されます。
 収入面では、国が出す債券を国民に買ってもらうことで国民から一時的に借金をする「国債」の新規発行が、4年ぶりに減少しました。ただ、国債による収入は、国の予算総額の4割以上を占めており、あいかわらず借金体質といえます。
 支出では、「三位一体改革」で税金と財政の仕組みを構造的に変えた結果、削減に成功しています。三位一体改革とは、国が使い道を指示して地方自治体に与えてきた「補助金」を減らし、その分の税金を地方自治体の税収へ切り替えようというものです。地方自治体の自由度が膨らむという理由で、昨年11月、政府・与党が三年間にわたる計画を発表していました。
 05年度は、地方向け補助金の総額(地方交付税に一部の社会保障関係費を含む)が、約19兆8000億円と、6年ぶりに20兆円を下回りました。削ったのは、義務教育費や国民健康保険などの補助金です。そのかわり、1兆1千億円分の税源が地方自治体に移り、地方に直接収入として入ることになります。

 教育福祉などやや負担増

 生活への負担は、じんわりと膨らんでいます。国立大学の年間の授業料は標準で1万5千円値上げされます。特別養護老人ホームなどの入所者の食費や居住費なども自己負担になります。お年寄りの個人住民税についても、負担が増えます。
 マイカー保険にあたる自賠責保険料も値上げされ、マイホームを手に入れる時に安くお金を貸す住宅金融公庫も、対象戸数が6割に減らされます。給料所得などへの税金は定率減税カットで増やされています。
 生活を支援する政策としては、子育てや、若者の就業、災害時の医療や、食物の安全などの面で強められていますが、あくまで一部に限られています。
 さまざまな方法で収入を増やし、借金を減らす、というのは、10年来、国の最大の課題でした。1997年度には「財政構造改革元年」と名づけて消費税を3%から5%に引き上げ、国民の負担を増やして、国債の発行を抑えようとしました。ところがその直後、証券会社や銀行が倒産したりして、景気が悪化してしまいました。景気が悪くなると、企業がつぶれたり失業者が増えたりします。国にとっては税収が減るため、結局、国債を発行しなければならなくなります。
 現在の国債発行残高は、97年度の2倍。このまま放っておくと、「10年後には消費税を21%に引き上げなくてはならない」(財政制度等審議会の意見書)との見通しもあります。しかし、国民の負担を急に強めて、また景気が悪くなっては元も子もありません。05年度の予算案は、こうした難しいかじ取りの結果なのでしょう。

 (斎藤 智子・朝日新聞記者)

(05年1月6日)


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