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イラクで今何が起きているのか
米軍統治に不満もつ地域
ファルージャ周辺で拘束

 イラクで3人の日本人が武装勢力の人質にされる事件が起きました。イラクでは今、何が起きているのでしょうか。
 3人はイラクの西隣にあるヨルダンの首都アンマンからタクシーでイラクに向かっていたことが分かっています。アンマン―バグダッド間には自動車専用道路が走っていますが、3人は、バグダッド西約100キロのラマディ付近で専用道路から一般道路に出て、そこで武装勢力に人質にされたとみられています。
 なぜバグダッド直通の専用道路を走り続けなかったのでしょうか。まずそこから考えてみましょう。
 ラマディとバグダッドの間にはファルージャという街があり、米軍が武装勢力と激しい戦闘をしています。イラクでスンニ派住民たちの拠点とされる街です。
 イスラム教には、シーア派とスンニ派という二つの大きなグループがあり、フセイン旧政権はスンニ派の人々を重視しました。スンニ派住民の中には、今の米軍の占領統治を不満に思っている人々が多くいるようです。こうした人々が米軍と戦っているのです。

今井さんと高遠さんが宿泊していたホテル。日本語の張り紙がある=9

 3月末には米国の民間人4人がファルージャで殺害されました。米軍はこの事件の犯人を捕まえるために、ファルージャ周辺での掃討作戦に踏み切りました。しかし、地元の武装勢力側の抵抗は激しく、この地域で4月5日以降、600人以上のイラク人が死んだと伝えられています。
 ファルージャ周辺の自動車専用道路は米軍によって封鎖されており、3人は戦闘に巻き込まれるのを避けるため、一般道路に迂回(うかい)したようです。
 イラクではファルージャでの戦闘の激化とともに、武装勢力が外国人を人質にとる事件が多発し、少なくとも15か国の約40人が拘束されたとみられています。日本人のほかにもカナダ人らが人質にされています。韓国人や中国人も拘束された後、解放されました。
 外国人を人質にする武装勢力の狙いは何でしょうか。

米軍の撤兵を求めるため
人質を交渉のカードに?

 武装勢力は日本人を拘束したことを認める声明の中で、「米軍は我々の土地に侵略したり、子どもを殺したり、いろいろとひどいことをしているのに、あなたたちはその米軍に協力した」としています。日本の自衛隊がイラクに来たことを批判しているのです。
 声明は「自衛隊が我々の国から撤退するか、それとも彼ら(3人)を殺害するかだ。ファルージャでやった以上のことを3人にもやるだろう」とも脅します。
 ファルージャでの戦闘で、武装勢力と米軍は一時停戦に踏み切り、事態の収拾のために交渉に入りました。武装勢力側は米軍側に街からの撤兵を求めています。日本人の人質解放をこうした交渉のカードにしようとしたのでは、との見方も出ています。
 事件はまだ解決していません(14日、日本時間午後6時現在)。人質にされた日本人たちが無事に解放されて欲しいと思います。と同時に、自衛隊派遣によって日本がイラク情勢にかかわっていることを、わたしたちはしっかりと認識しなければならないのだと思います。

(古谷 浩一・朝日新聞外報部)

(04年4月18日)


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