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11月2日に一般投票される米国大統領選に向け、立候補を表明した人たちの間ではすでに選挙活動が始まっています。世界各国がイラクの戦後復興に向けて試行錯誤を続ける中、その戦争開始を決断した現職のブッシュ大統領が再選するのか、それとも新大統領が誕生するのか。国際社会に多大な影響力を持つ米国の大統領選挙の行方を世界中が注目しています。
米大統領はどのように選ばれるのでしょうか。日本では国会議員の投票で総理大臣が決まります。そのため、国会で最も力を持つ与党の党首が就任することが多いですね。米国では大統領を選ぶ一般投票が開かれるため、議会与党と異なる政党から大統領が誕生することがよくあります。互いをチェックさせて行き過ぎた政策を抑え、バランスのとれた政治を保たせる。こうした米国民の意識の表れだとも言われています。
全米50の州とワシントンDCで実施される一般投票では、各州の「選挙人」と呼ばれる人たちを選びます。選挙人は人口に応じて数が決まっていて総数500人以上。この選挙人の過半数を獲得した候補が大統領になります。特徴的なのは、その州の一般投票で最多得票の候補が、州の選挙人すべてを獲得する勝者独占方式になっていること。大勢の選挙人が獲得できる大きな州をいくつ取れるかが勝負の分岐点となります。
米国は共和、民主の二大政党政治。大統領選は両党を代表する候補が対決します。共和党は現職のブッシュ大統領。民主党は候補者が一時は10人が名乗りをあげる混戦でしたが、党予備選や党員集会を繰り返した結果、ケリー上院議員とエドワーズ上院議員に絞られました。2日の「スーパーチューズデー」と呼ばれる予備選で、ケリー氏が勝利を収め、事実上指名を獲得しました。
両者がブッシュ氏と一対一の選挙戦になったとの想定で2月16、17の両日に米メディアが実施した世論調査では、両者ともに支持率がブッシュ氏を上回りました。イラク戦争時は高支持率を誇ったブッシュ氏ですが、開戦から1年近くたったいまもテロでイラク駐留米軍兵の死者が増加の一途をたどるなど、逆にイラクが重くのしかかっているのです。開戦の大義だったイラクの大量破壊兵器大規模貯蓄を否定する調査報告やベトナム戦争時の兵役回避疑惑もブッシュ陣営の悩みの種になっています。
民主党にとってイラクは両刃の剣。特にケリー氏はイラク攻撃容認決議に賛成しているので、激しい批判はしにくいようです。ブッシュ大統領の支持率を押し上げたフセイン・イラク元大統領拘束の事実も触れにくい材料。2001年9月の米国同時多発テロ以降、後遺症から抜け出せないでいる多くの米国民を納得させるだけの対テロ施策を、ブッシュ政権とは異なる形で打ち出せるでしょうか。
両政党とも今夏に全国党大会を開いて正式な候補者を決め、本格的な舌戦が始まります。
(山本 大輔・朝日新聞外報部)
(04年3月7日)
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