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陳総統(上)と連戦・国民党主席
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台湾の総統選挙が3月20日に行われます。総統とは中国語で「大統領」のこと。台湾の人々が自らの政治リーダーを直接選挙で選ぶのです。これを機会に台湾の政治について、ちょっと関心を持ってみませんか。
今から100年以上前の1895年、当時は「清」という国だった中国が日本に戦争で負けたため、台湾は日本の植民地になりました。その後、日本が第2次世界大戦で敗戦するまでの50年間、台湾は日本に支配されたのです。
1945年の終戦時、中国は「清」に代わって「中華民国」という国になっていました。台湾はこの「中華民国」をつくっていた国民党という政治グループの支配を受けることになりました。
その後、中国大陸では共産党という政治グループが勢力を伸ばし、国民党との間で内戦状態になりました。共産党は国民党を大陸から追い出し、「中華人民共和国」という国の成立を49年に宣言。北京を首都とする今の中国政府ができました。これに対して、国民党の指導者たちは台湾に逃げ込んで「中華民国」を名乗り続け、「自分たちが中国を代表する政府だ」と主張しました。
現在、日本をはじめ世界の多くの国は、「中華人民共和国」を中国という国として認めています。しかし、台湾では北京の中国政府とは別の政治グループによる政治支配が続いています。中国は「台湾は中国の領土の一部だ」とし、中台統一を求めていますが、実現していません。これが「台湾問題」です。
台湾では99年、李登輝総統(当時)が中国と台湾との関係を「特殊な国と国との関係」と位置づけました。2000年の総統選では、中国が「台湾の分離・独立を狙うグループ」と警戒する民進党の陳水扁氏が当選し、国民党以外で初めての総統となりました。陳氏は中台関係を「一辺一国(それぞれ別々の国)」と表しました。中国はいずれも強く反発しました。
今回の総統選では陳総統と国民党の連戦主席が激しい選挙戦を展開しています。さらに、陳総統が台湾で初めての住民投票を総統選と同時実施すると表明し、国際社会の関心を呼んでいます。
中国との政治協議を再開すべきかなどを問う住民投票ですが、中国は台湾独立につながる動きだと反発します。陳総統が率いる民進党が「独立は住民投票の決定に委ねる」と党の決まりに記していることも背景にあります。 台湾の人々の心情は複雑なようです。政治的な「自立」を求める動きがある一方で、台湾経済が中国への依存度をますます強めている現実があります。台湾の人々も、日本や米国といった国際社会も、総統選を通じて中台関係が極度に緊張することは望んでいません。
総統選でどのような選択が示されるのか。それが中台関係にどのような影響を及ぼすのか。私たちも注視してみましょう。
(古谷 浩一・朝日新聞記者)
(04年2月22日)
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