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北朝鮮、プルトニウム?をなぜ見せたの
米国の訪朝団が証言
 

北朝鮮の核兵器開発をめぐる疑惑が再び、大きな問題になっています。北朝鮮が原爆の材料となるプルトニウムとみられる物質をアメリカの訪朝団に見せるなど、強気の姿勢に転じたからです。米国は、国際的な新たな枠組みを進めることで北朝鮮への圧力を強める方針です。「核問題」が表面化してからもう10年以上が経過しました。果たして解決の見通しはあるのでしょうか。
 北朝鮮から「プルトニウム」とみられる物質を見せられたのは、2004年1月上旬に北朝鮮を訪問した米ロスアラモス国立研究所のヘッカー元所長らです。その後、元所長は、1月21日に米上院外交委員会の公聴会で「プルトニウムであってもおかしくない」と証言し、本物を北朝鮮が持っている可能性が高いとの見方を示しました。これまで北朝鮮がプルトニウムを抽出した疑いは何回も指摘されていましたが、「プルトニウムとみられる物質」を実際に見せたのは初めてのことです。
 元所長ら一行が見せられたのは2つのガラスケースで、金属状のものが約200グラム、緑色の粉末状のものが約150グラムの計350グラムだったとされています。北朝鮮側は「最近、再処理したプルトニウムだ」と説明。元所長によると、放射線測定器を近づけると反応があり、手袋をはめてケースに触れると生暖かかったそうです。
 しかし、これが実際にプルトニウムだったとしても、米国は「想定の範囲内」と受け止めて、大きな衝撃は受けていません。米中央情報局(CIA)は、北朝鮮が90年代にすでに核兵器1〜2発分のプルトニウムを抽出したという調査報告書をまとめているからです。元所長たちがプルトニウムを見たとしても事実確認に一歩近づいたに過ぎません。

 

核開発凍結の
譲歩を求める
強硬策か

 問題なのは北朝鮮側の意図です。北朝鮮側は「危機を回避するため、(核開発計画を)凍結する用意がある。行き詰まった局面を打開するための公開だ」と語り、米国と何とか打開するためにプルトニウムを見せたと考えることもできます。北朝鮮は核問題を話し合う次回の6者協議(韓国と北朝鮮、日本、ロシア、中国、米国)で、北朝鮮が核活動を全面凍結する代わりに、米国が北朝鮮を「テロ支援国リスト」から外すことや、米国と周辺国がエネルギー支援などを行うという案を示すとみられています。元所長らに核関連施設を見せたのも、この合意実現に向けて米国の譲歩を求めるためと考えられます。
 米国は、北朝鮮が核兵器開発を放棄した場合の検証体制として、国連の安保理常任理事国である米国、英国、ロシア、中国、フランスに日本と韓国を加えた7か国と国際原子力機関(IAEA)を加えた「7か国プラス一国際機関」を発足させたい考えです。これまでのようにIAEAの査察だけでは不十分というわけです。しかし、北朝鮮はいまだに核兵器開発計画を放棄するはっきりした姿勢は見せておらず、問題の全面解決にはまだ曲折が予想されます。

(大塚 誠・朝日新聞記者)

(04年2月8日)


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