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重要になるライス氏の役割
11月の米国の大統領選で再選されたブッシュ大統領は年明けの1月20日、ワシントンで就任式に臨み、第44代大統領に就任します。イラク戦争突入などで目立った強気の軍事路線は変わるのか。2期目のブッシュ政権はどこへ向かうのか。世界中が注目しています。
共和党の大統領が政権2期目を迎えるのは、1985年のレーガン大統領以来、20年ぶりのことです。
すでに大統領はスピード人事で、新閣僚をほぼ決めてしまいました。14閣僚の顔ぶれを見ると、6人が留任、8人が新任です。しかし、新任のうち3人は大統領府の高官で、いわば「身内」で固めたといえます。
今後4年間の外交を占う上で重要と思われるのが、パウエル国務長官の辞任です。後任は、ブッシュ大統領の国際問題での「家庭教師」といわれているライス大統領補佐官に決まりました。
ブッシュ外交は、各国の意見を軽視し、「わが道をいく」とばかりに米国の利益を優先させる傾向が目立ちます。強硬派といわれる人たちの影響力が強いからです。唯我独尊というのでしょうか、海外からは「米国の身勝手」「ゴリ押し」と批判を浴びています。
そんな中、各国の意見を尊重しながら外交を進め、ときに強硬派と対立も辞さなかったのがパウエル長官です。国際協調派として知られ、イラク戦争にも慎重でした。しかし、長官の辞任で国際協調の「重し」がとれてしまったといえます。なぜなら、強硬派のチェイニー副大統領やラムズフェルド国防長官らは留任するからです。ライス氏も外交の実務能力は未知数です。国際協調派と強硬派の意見をバランスさせることができるか不安が残ります。
テロ続き国際協調へ転換も
どう付き合うか日本に課題
しかし、イラクでは、武装勢力による抵抗が絶えません。米兵の死者は1200人を超えました。治安の悪化で復興も予定通り進んでいません。米国への同時多発テロを受け、ブッシュ政権が始めたテロとの戦いも苦戦しています。テロ組織の基地を軍事力で攻撃したり、メンバーを捕まえたりしていますが、今も世界各地でテロは相次いでいます。
厳しい現実に直面し、強硬派内からも、軍事偏重のやり方には限界があるという意見が出始めました。イラク復興やテロ撲滅には、各国の協力が欠かせません。「米国のやり方に口をはさむな」といわんばかりの強気の行動に出て泥沼にはまれば、ブッシュ大統領に対する歴史の評価も下がります。このため、ブッシュ政権が国際協調の方向へかじを切る可能性も捨て切れません。
小泉首相は米国に配慮し、イラクへの自衛隊派遣を来年12月まで延長することを決めました。復興支援が目的ですが、現地では「自衛隊も米軍も同じ」という声も出ています。すでに日本人の人質事件は起きています。
日本にとって、米国は切っても切れない国です。しかし、アラブ諸国の対日感情悪化は危険です。ブッシュ政権とどう付き合うべきか。冬休みの宿題にしてみて下さい。
(杉本 宏・朝日新聞外報部)
(04年12月26日)
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