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三位一体改革の行方はどうなるの?
計画の全体像を最終決定
「国と地方の協議の場」に出席した全国知事会の知事ら(上)と細田官房長官ら関係閣僚(下)=11月26日、首相官邸で

 地方に権限移す目標に遠い

 政府・与党は11月26日、国と地方の税金や財政の関係をあらためる「三位一体改革」計画の全体像を最終決定しました。改革は「地方にできることは地方にゆだねよう」という小泉首相の呼びかけで始まったもので、財政や税金のしくみを変え、県などの地方自治体に、国の権限を移していこう、という考えに基づいています。しかし、決まった計画の内容をみると、地方自治体が求めた改革や、小泉首相が掲げた目標にはずいぶんと隔たりがあり、難しい問題は来年以降に結論を延ばした、という声もあがっています。
 「三位一体」とはもともと「神」と「キリスト」「聖霊」の三者の関係をあらわすキリスト教の言葉です。それを、政府はここで「税金の財源」と「補助金」「地方交付税」の3つを一体で変える、という「財政改革」のキーワードに換えて使ってきました。

 もう少し説明すると、@これまで国が受け取ってきた国民からの所得税の一部を、地方自治体の収入になる「個人住民税」に換えて、地方自治体の「税源」とするAそのかわり国が地方自治体に渡してきた「補助金」を減らすB不利益が出る地方自治体には国が「地方交付税」で調整するが、地方交付税も徐々に減らす――といった内容です。
 小泉首相は今年5月、@にあたる「税源」については、総額3兆円と目標に掲げました。そしてAにあたる「補助金」削減については、その3兆円分を何の項目で減らせるか、地方自治体側に計画を出してほしい、と頼みました。中央省庁に計画をまかせていては、地方分権の計画が進まないのではと判断してのことです。

 地方に権限移す目標に遠い

 県などをまとめる全国知事会を含む地方6団体は、今年8月、地方自治体の全体の意見として、総額3兆円を超える補助金削減リストを政府に出しました。ひらたくいえば「もういらない補助金一覧表」です。補助金は、決められた目的以外には使えません。地方によって実情は異なるため、その目的だけにしか使えない補助金をもらうより、むしろ、その分を税金収入として受け取るほうが使いやすい、という判断があったのでしょう。
 なかでも議論の的になったのは、義務教育に関するお金です。地方6団体は、廃止する補助金の項目に、中学校の教員の給料約8500億円を入れていました。中学校の教員の給料は現在、半分を都道府県が出し、半分を国が「補助金」として出しています。その国の分を、いらないといったのです。また、将来は小学校の教員の給料も含め、総額2兆5000億円すべてを廃止したいと申し出ました。
 補助金を出すいっぽうで、文部科学省では学校あたりの先生の数や1クラスの子どもの数などを定めています。しかし地方自治体では、学年や教科によって先生の数を増やしたり、自由な教育を工夫したりしたい、と思っているのでしょう。PTAの全国団体や文部科学省などはこれに対し、今までどおりの教育水準が地方によっては保てなくなる、と反対していました。
 今回の政府計画では、所得税から個人住民税に移すことが決まったものは、2004年度分も含めて総額2兆4000億円。義務教育については、国庫負担金8500億円を2年間で減らす方針としましたが、いまの制度を具体的にどう変えるかは05年秋までに中央教育審議会で議論し、その答申を受けて決める、としています。

 (斎藤 智子・朝日新聞記者)

(04年12月5日)


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