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アフリカのスーダンに世界の助けを
5万人殺害、難民165万人
アラブ人と黒人が武力衝突

 アフリカ大陸の北部にあり、アフリカで最も国土が広いスーダンでいま、たくさんの人々が世界の助けを求めています。
 スーダン西部のダルフールという地域で昨年2月に新たな紛争が起き、武装した兵士たちが次々と村を襲い、これまでに最大5万人が殺されました。さらにこれによって165万人もが家を追われ、各地をさまよっているのです。
 逃げまどう人たちの多くは国境や隣国のチャドに集まっていますが、大変厳しい生活が続いています。豆などを分け合って空腹をしのぎ、枝や草で作った粗末な小屋で雨や風をしのいでいます。多くの子どもらが餓死や病死の危険にさらされています。国連は5億3千万(約583億円)の支援を世界に呼びかけましたが、約3億ドルしか集まっていません。日本はこのうち2100万ドル(約23億円)を支払うことにしています。
 スーダンの面積は日本の約7倍の約250万平方キロメートルで、約3200万人が暮らしています。19世紀末からエジプトや英国に支配されてきましたが1956年に独立しました。アフリカで貧しい国の1つですが、最近は石油の生産が盛んで日本とも取引があります。住民の大半はアラブ人と黒人です。
 悲劇が起きたのは、ダルフール地方でこのアラブ人と黒人が対立したためです。土地や水をめぐって争いになり、肌の色の違いによる勝手な「嫌悪感」を募らせて武力衝突に発展しました。特にアラブ系の兵士はスーダン政府から武器や資金をもらって黒人を殺し、家を焼いているのです。

地面に掘った穴からわき出た泥水を、競うように飲む子どもたち=9月27日、西ダルフール州スリアの避難民キャンプで

ジェノサイドか国連が調査

国連は「世界最悪の人道危機」と断言し、アナン事務総長自ら足を運び、スーダン政府に平和を取り戻すよう求めました。9月には最大の産業である石油の輸出を制限する可能性があると伝えました。米国のブッシュ大統領はひどい殺害行為を「ジェノサイド(集団殺害)」と指摘し、国連も調べています。
 「ジェノサイド」というのは人種、民族、宗教など、立場や意見が違うことを嫌って、大量に人を殺す犯罪です。第二次世界大戦中ヒトラーが率いるナチス政権下のドイツで、ユダヤ人が大量に殺されたのが一例です。国連は48年、ジェノサイドに関する条約をつくり、135か国(7月現在)が加盟しました。国連がジェノサイドと認めれば、加盟国は兵士を派遣するなどして解決しなければなりません。
 実はスーダンではこれ以外に、83年から続く別の内戦がありました。五月にようやく争いをやめる話し合いがあったばかりで、混乱続きなのです。
 アフリカ諸国は2002年、アフリカの問題を自身で解決するため、「アフリカ連合」という組織を作りました。スーダンにも300人の兵士を派遣していますが、十分な成果が上がっていません。
 こうした動きに、スーダン政府の対応も良くありません。避難生活を送る人々を移動させ、国連の調査の目に入らないように仕組んでみたり、健康状態を「悪くない」と強調してみせたりするのです。国連の強い批判にスーダンは「治安回復に向けて努力している。(石油の輸出制限などを持ち出すのは)不公平だ」などと反発しています。

 (能登 智彦・朝日新聞外報部)

(04年10月17日)


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