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小泉首相の国連総会演説
他国とも連携して働きかけ
国連は来年、誕生して60周年を迎えます。その機会に、大きな改革を実現させ、米国、英国、フランス、ロシア、中国の五か国だけだった安全保障理事会の常任理事国にぜひ日本を加えてほしい。小泉首相はニューヨークの国連本部で始まった国連総会で、そう演説しました。
日本政府は今までにも常任理事国入りの意欲を表明してきましたが、今回はほかの国と連携した働きかけもしました。小泉首相はドイツ、ブラジル、インドの大統領や首相らに集まってもらって話し合い、国連の加盟国が1945年にできたときと比べてほぼ4倍に増えているので、安全保障理事会のメンバーも増やすべきだなどとする共同声明を出しました。
12月には前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんも加わった16人の「諮問委員会」が、「国連改革」についての報告をアナン国連事務総長に対してまとめることになっています。
国連を強化する多くの提案
多国間主義に基づく解決を
日本では「国連改革」というと、日本が安全保障理事会の常任理事国になれるかどうか、に注目が集まりがちです。でも、国連を強化しようという提案は、86年に出された「国連賢人会議」による71項目の勧告など、いろいろな立場から出されています。
国連安保理についても、日本が求めている常任理事国の拒否権が強すぎるという批判も多いのです。安保理の常任理事国に日本が入るかどうかは、もっと大きな「国連改革」の中の一部分なのだ、ということも忘れてはいけません。
総会など安保理以外の機構にもそれぞれの課題があります。ユネスコやユニセフといった経済、社会、文化、教育、保健など、いろいろな分野で活動する機関を含む「国連システム」全体をどう活性化させるのかは、大事なテーマです。
アメリカという大きな国が独自の判断でイラクとの戦争に踏み切ったり、仲の良い国との関係を重視して国際的なことを決めたりといったことが目立つようになっています。しかし、これからの世界ではますます、多くの国が共通のルールに従って、協調してものごとを決め、共同で行動する「多国間主義」という考え方が欠かせなくなっていくでしょう。
戦争と平和だけでなく、環境問題や人権、経済の分野など、一つの国だけでは解決できないような地球規模の問題が数多くある中で、完全とはほど遠いものであっても、国連と国連システムは多国間主義に基づいて問題を解決するための、人類にとって貴重な仕組みです。そうしたことを意識しながら、ニュースに触れ、国際機構について考えてみてください。
(池田 伸壹・朝日新聞外報部)
(04年10月3日)
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