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米国の提案で中東和平どうなる? ロードマップ(行程表)

 体に爆弾を巻いたままバスやレストランで自爆し無差別に市民を殺傷する過激派。報復として、戦車や武装ヘリで住宅地に侵攻し攻撃する軍隊。

 イスラエルとパレスチナで、こんな暴力の応酬がすでに50年以上も続いています。これを何とかやめさせ中東和平を実現しようと、米国は4月30日、「ロードマップ(行程表)」を打ち出しました。世界はその推移を注視しています。
 行程表によれば、まず5月中に双方が暴力をやめる約束をすることになっています。ついで周辺のアラブ諸国が、過激派への資金や武器の援助をやめます。イスラエルも、元々パレスチナの土地だった場所へ国民を移住させる活動(入植)をやめ、軍も占領地から撤退します。

今年中に、今は「自治区」にすぎないパレスチナを、仮に決めた国境線を持つ独立国家にします。その上で、2005年末までに国境線を確定させ、土地を追われたパレスチナ難民の問題も解決。最終的な和平を達成するというのです。
 ところが、それをあざ笑うかのように、双方の暴力は激しさを増す一方です。行程表が発表された翌日、イスラエルはパレスチナ自治区のガザに戦車約30両で侵攻し、2歳の子どもを含む13人を殺害。15日にも2日連続の攻撃で七人を殺害しています。パレスチナ過激派も、5月17、18日に3度の自爆テロで少なくとも9人を殺害しました。互いに相手がやめるまで攻撃を続けると言って譲りません。

パレスチナ側武装解除約束したけど

 改善のきざしもあります。パレスチナ自治政府の新しい首相になったアッバス氏は、過激派の武装解除を進めると約束しました。「テロを容認している」と批判されたアラファト議長に代わる指導者として期待されています。イスラエルも、ユダヤ人の違法入植地を撤去する方針を示しました。
 日本の川口外相は4月末にパレスチナを訪問し、食糧や首相府事務所建設などで約26億円の支援を伝えました。その際、テロの取り締まりを強く求めています。EUやロシアも働きかけを強めています。
 1948年の独立以来、イスラエルはアラブ諸国と五度も戦争し、70年代後半からは、占領した土地への入植を進めてきました。しかし、90年代になって和平の機運が高まり、93年にはパレスチナの自治を認める「オスロ合意」が実現。正式な独立に向け交渉が続けられました。ところが、入植地や難民の問題で対立が解けず、00年10月、エルサレム旧市街にあるユダヤ、イスラム両教徒共通の聖地を巡って衝突。「第二次民衆蜂起(インティファーダ)」と呼ばれる争乱に発展し、以後、交渉は中断したままです。
 最近、パレスチナで過激派への支持が高まっています。土地を奪われ、仕事もなく、イスラエルに対抗するには自爆しかないという絶望感が広がる中で、十代の若者がテロに走っているのです。世界が協力し、パレスチナに未来への希望を作り出すことが、何より求められています。

(吉岡 一・朝日新聞記者)

(03年5月25日)


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