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不安だな 正体不明の白ずくめ集団
拠点施設に到着した白ずくめ集団の車列=9日、福井市五太子町で

   白いずきんに白マスク、白いうわっぱり――といえば、消毒か給食か、昔なら「切腹」の死に装束(しょうぞく)を思い浮かべる人もいるでしょう。そんな、白ずくめのグループが、最近話題になっています。乗っている車も、はいている長靴も、すべて白。だから「気味が悪い」「ありゃ、変だ」というわけです。他人の名前を使って自動車の登録をするなど、法律に反した行為もしていることがわかり、警視庁でも十四日、本格的な捜査を始めました。
 白ずくめ集団の正式な名は「パナウェーブ研究所」といいます。メンバーはざっと40人。15台前後の白い車に乗って、あちこちを移り住んでいます。
 福井県の土木事務所によると、昨年10月ごろ、スタッフが「道路に車を止めて電磁波の研究をしたい」と申し入れてきました。そして、県内の和泉村の林道に車を止め、テント生活を始めました。
 電磁波とは、高圧電線から携帯電話まで、電気にまつわるあらゆる生活用品から出ています。発がん性がある、といった指摘もあり、研究の必要性が叫ばれています。
 とはいえ、身なりやテントから立ち木や山肌まで、とにかく白い布で覆う、といった行為は、かなり異様ですね。土木事務所では、5月に道路整備の予定があると言って、何度か移動を求めましたが、結局、ぎりぎりの4月末まで約半年間、滞在は続きました。
 グループが次に住んだのは、岐阜県でした。大和町と八幡町の境の林道に車を並べたため、通行の邪魔だと、たちまち問題になりました。移動を求めても、「病人がいる」「電磁波から逃げている」などと言って、らちがあきません。
 一行はその後、山梨県白州町、長野県茅野市へと移り住みました。

警視庁などが家宅捜索して調べてるよ
 移動は、時速30キロ程度と、ゆっくりしたスピードです。このため、近くの国道などは大渋滞にみまわれます。長野県では県庁に、地震や山崩れ並みに「白装束集団連絡対策本部」を設け、計二百数十か所に800人を超える職員を配して、見張りました。
 テレビや新聞は毎日、こぞってこのグループについて報道しました。どうも、あの、アザラシの「タマちゃん」を救う活動に結びつきがあるようです。新興宗教から分かれた病気の女性教祖がいることもわかりました。その教祖が死んだら「全人類を一気に破壊させる」などと書いた文書を昨年出しています。5月15日には「磁極が逆転して大洪水や噴火が起きる」とも主張しています。
 長野県や山梨県などでは、かつて、新興宗教「オウム真理教」のグループが山中などに集団で住み、猛毒のサリンをひそかに製造していた記憶が強烈に残っています。「何をするかわからない変な集団が、自分たちの村や町にやってきて、住みつかれては困る」というのが本音でしょう。
 警視庁と福井、山梨などの県警では十四日、グループが各地で使った施設や住まいなどを家宅捜索し、資料を集めました。グループの本当の姿がわかるのは、これからです。

 (斎藤 智子・朝日新聞記者)

(03年5月18日)


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