| 「大勢の人間を一度に殺してしまう大量破壊兵器の開発をイラクにやめさせよう」「言うことを聞かないなら攻撃しかない」「いや査察を続けるべきだ」……。世界中の人々が対イラク戦争が始まるのかどうか毎日のニュースに注目しています。この問題を世界各国が集まって話し合う場が国際連合安全保障理事会です。戦争をせずに、平和的な解決の道をみつけられるのでしょうか? |
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イラクは武装解除されたか 査察の評価は各国まちまち
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国連安保理は昨年11月、査察官を派遣して核、化学、生物兵器の開発を調べさせることをイラクに認めさせました。イラクは兵器工場を見せたり、ミサイルを壊したりしましたが、査察が効果をあげたかどうかは各国で意見が食い違っています。米国と英国は「イラクはごまかしばかりなので攻撃するしかない」と主張します。これに対しフランスやドイツ、ロシアは「戦争はいけない。平和的に武器を捨てさせる方法があるはずだ」と主張しています。
フセイン大統領が言うことを聞かないからといって他国が勝手に攻撃はできません。武力を使っていいかどうかは国連安保理が決めます。「国連憲章」で「自分の国を守る場合を除いて他国に対して武力行使するには国連安保理の承認が必要」と決められているからです。米同時多発テロの後、米国などがアフガニスタンを攻撃したのは、自分の国を守る権利「自衛権」が理由でした。しかしイラクは攻撃してきたわけではありません。
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武力行使を認めるか採決へ 米国は「決議なしでも攻撃」
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米英スペインは7日、国連安保理にイラクへの武力行使を認めようと提案しました。安保理には米英仏中ロシアの5つの常任理事国と、ドイツやスペイン、シリアなど10の非常任理事国が入っています。この15か国で採決して9か国が賛成すれば可決となります。
ところが普通の多数決と違うのは常任理事国は「拒否権」を持っていることです。このうち1か国でも反対すれば決議できなくなってしまうのです。常任理事国のフランスや中国、ロシアは武力行使に反対ですが「むやみに拒否権を使うべきではない」とも考えています。紛争解決の方法を話し合う場である安保理の意味が薄れてしまうからです。
一方、米国は「安保理で決議できなくても武力行使する」と言っています。実際、コソボ紛争のときは、国連安保理の決議なしに1999年3月、北米や西欧で構成する北大西洋条約機構(NATO)が当時のユーゴスラビア連邦のコソボ自治州を空爆したこともありました。しかし、世界中で反戦デモが繰り広げられるなか、国連安保理の承認なしにイラクを攻撃すれば、非難の声は強まるに違いありません。米英の施設を狙った報復テロがあちこちで起きるかもしれません。
国際平和と安全を守るためにできた国連安保理が話し合いと協力で、イラク問題を平和的に解決できるかどうか、今もっともその役割が注目されています。
(中山 由美・朝日新聞記者)
(03年3月16日)
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