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北朝鮮へ韓国から観光ツアー実現
韓国の企業が開発

 北朝鮮の金剛山(クムガンサン=1.638メートル)は、朝鮮半島で最も美しい山と言われます。約1万2千の峰があり、秋の紅葉は大変きれいなものです。今年の9月、韓国からバスで金剛山に行けるようになって話題になっています。
 韓国と北朝鮮は、50年余り前の朝鮮戦争で激しく戦い、多くの犠牲者を出しました。その後も、互いに軍事力を強くして対立しています。その2つの国をつなぐ道路ができたのは不思議な気がします。

金剛山登山を楽しむ韓国の人たち

 両国の境界近くには、地面の中に爆発物(地雷)がたくさん埋められていて、車や人が通ると爆発するようになっています。このため道路をつくるときは、両国の軍隊が地雷を取り除く作業をしました。韓国と北朝鮮の人たちは、同じ顔、同じ文化、同じ言葉を話す同じ民族なのです。対立しつつも協力し合う面があるのです。
 韓国の金大中(キム・デジュン)前大統領(1998年〜2003年)は、太陽政策といって、北朝鮮と交流を進めてきました。イソップ物語に北風と太陽の話があります。冷たい北風をいくら強く吹かせても、旅人が着ているオーバーを脱がすことはできない。むしろ、暖かい太陽の方が、旅人はオーバーを自然に脱ぐのです。
 それと同じで、北風のように北朝鮮に対して厳しい態度で接して、孤立させるのではなく、北朝鮮とよく話し合い、協力することで朝鮮半島の平和を保とうという考えです。金大統領は、00年6月に北朝鮮を訪れ、同国のトップである金正日(キム・ジョンイル)総書記と初めて会談を開きました。金大統領の後を引き継いだ韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領も同じ考えです。

戦いでなく
太陽政策で
緊張緩和へ

 そうした政策のもとで、韓国の企業が、北朝鮮側に一定のお金を払って、金剛山の観光開発をする権利を得ました。山のふもとにホテルや温泉をつくり、北朝鮮が得意なサーカスを見ることもできます。お客さんのほとんどが韓国人ですが、日本人も行くことができます。
 ただ、金剛山はあくまでも北朝鮮政府によって特別に開発が認められた地域です。このため、周囲には金網が張られていて、一般の北朝鮮の人は入って来られないようになっています。例えば、韓国と北朝鮮の人がちょっとしたけんかをして、それが国と国との大問題になったら困るからです。
 ところで北朝鮮は、核兵器の開発を進めていて、アメリカ、そして日本などとの間で緊張した関係になっています。この問題を話し合いで解決するものとして六者協議があります。アメリカ、中国、ロシア、韓国、日本と北朝鮮の6か国が参加しています。8月に初めて開かれ、2回目が12月にある予定ですが、話し合いの条件がつかず、開催は遅れるかもしれません。いずれにしてもこんなに近い韓国と北朝鮮です。戦争で物事を解決しようとしてもたくさんの人や財産が犠牲になるだけです。

 (桜井 泉・朝日新聞記者)

(03年12月21日)


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