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イラク復興に330億ドル…でも足りない
支援国会議で各国が表明

 イラク再建策や資金協力などについて話し合う「イラク復興支援国会議」が10月下旬にスペインで開かれました。参加した70余りの国と20の国際機関が2004年から07年までの4年間に、少なくとも330億ドル(約3兆6.300億円)の資金協力をすることを明らかにしました。

 この額は、アフガニスタン復興支援の45億ドルを大きく上回りました。各国に支援を呼びかけてきた米国のパウエル国務長官は「国際社会がイラクを支援するという力強いメッセージを発することができた」と、会議の成功を強調しました。

 しかし、復興に十分な額が集まったわけではありません。現在、イラクを占領している米国と英国による暫定占領当局(CPA)と国際連合の専門機関である世界銀行は、イラク復興に4年間で550億ドル(約6兆円)が必要と見積もっていましたが、この額の6割にとどまりました。

日米で8割 対立が続き仏独見送り

  支援表明額の多い国は、203億ドル(連邦議会は186億に減額して承認)の米国、次いで50億ドルの日本です。ほかに、世界銀行が30億〜50億ドル、英国が9.3億撃フ支援を明らかにしています。しかし、欧州や中東諸国は支援に消極的で、日本の支援額は米国を除く他国に比べて突出しています。日米2か国だけで330億ドルのうち約77%を占め、支援する国が偏る結果となりました。

 特に、フランス、ドイツ、ロシアは、イラク復興が国連中心ではなく、米国中心になっていることなどに批判的で、新たな資金協力を見送りました。イラク戦争を強引に始めた米国に対する反発が尾を引き、イラク復興でも、米国と仏独ロの対立で国際協調態勢は十分に整いませんでした。

 集まった資金は、国連開発計画(UNDP)と世界銀行がつくる「信託基金」で管理します。しかし、米国は自国の資金を、CPAの「開発基金」で管理しようと考えています。2つの基金の連携がうまくいくかどうかは不明です。また、石油収入を扱う「開発基金」を握る米国主導の復興では、米国企業が復興事業を独占し、米国だけが大きな利益を得るのではないかという声も出ています。

 イラク復興に向けては、治安の悪化が大きな問題です。米国兵士に対する襲撃に加え、国連現地本部や赤十字国際委員会などに対するテロが相次ぎ、復興を担う国連職員らのほとんどはイラク国外に避難しました。このままでは、イラク人による政権樹立がいつになるかわからない状態で、復興は進みません。治安の回復など復興に必要な費用も大幅に増える恐れがあります。

 今回の会議は、イラク復興に向けてスタート地点に立ったに過ぎません。表面的には「成功」とされていますが、各国の追加支援に加え、治安回復、国際協調態勢の確立などの課題を早急に解決する必要があります。

 (関本 誠・朝日新聞記者)

(03年11月9日)


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