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中国の有人宇宙船計画は92年にスタートしました。国産の「長征ロケット」を使い、99年に初めて無人船打ち上げに成功。その後、有人飛行を目指して発射実験を重ねてきました。
中国にとって宇宙技術の躍進は幅広い効果を持ちます。
国内では、3月に世代交代したばかりの指導部にとって、国民をまとめる宣伝材料になります。市場経済化が進む一方で、貧富の差が広がったり党幹部の腐敗が深刻になったりして、国民の不満がつのっています。打ち上げ成功で中華民族としての誇りを高めれば、指導部の求心力が強まります。また、経済発展に役立つさまざまな関連技術の進歩にもつながります。
国外では、米国、ロシアに次ぐ宇宙大国としての存在感を示し、国際的な地位を高めることができます。宇宙技術への信頼を獲得して、他国の衛星打ち上げを請け負うビジネス収入も期待できます。
しかし一方で、中国の宇宙開発はミサイルなど軍事技術と一体でもあります。昨年春、有人飛行計画について当時の江沢民国家主席は「科学技術の進歩と国防の現代化に重要な意義がある」と述べています。今回の打ち上げに関する情報も直前まで機密扱いでした。宇宙開発が米国との軍拡競争や周辺への脅威につながってはなりません。
日本の宇宙開発は、これまで欧米との協力を重視してきました。しかし、中国が新たな宇宙大国となった以上、今後はアジアとのつながりを見直し、さらに中国が宇宙の国際協調の流れに加わるよう力を注ぐことが必要でしょう。
(山根 祐作・朝日新聞記者)
(03年10月26日)
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